週末の日曜日。
新橋演舞場にて、海老様奮闘公演「伊達の十役」を観てきました。
今回は海老様好きの友人が海老様が婚約した傷心ですっかりやる気をなくし(笑)、「3階B席でいいです、あと海老蔵を観るのは最後にします」
とのことだったので安いお席にしたのですが、実際観に行って、今回ほど奮発して一等席にすればよかった!っていう公演はなかったかもしれません。
16時~21時半まで、合計5時間半(休憩入れてですが)の間、1人で男女10役を演じ、ほぼ出ずっぱりな上に、数え切れないほどの早替わりをこなした海老様。
目の前で繰り広げられるまるでマジックショーのような早替わりの光景(まさにマーベラス!)に、圧倒されると同時に、ここまで演じきれる海老様は凄い!と観終わった後は感動と興奮でいっぱいでした。
もうね、「ここまでやるか!?」って感じなんですよ。驚きの連続でした。
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)は、仙台の伊達家のお家騒動を土台にした物語で、七世市川團十郎が文化十二(一八一五)年江戸河原崎座で初演した後久しく上演が途絶えていましたが、昭和五十四年に市川猿之助さんにより復活された作品です。
ちなみに作品名の意味は「顔を紅葉のごとく真っ赤にしながら大汗をかきながら走り演じ観せる」だそうです。
まさにそんな感じです。
私は猿之助さんが演じる伊達の十役を観ていないので比べることは出来ませんが、今いる歌舞伎役者の中で、この作品を演じられるスター性と実力を持つ役者というのは市川海老蔵、ただ一人なのではないかと思います。
やり慣れない女形の演じ分けなどは多少無理があると思いましたが、一昨年の花形歌舞伎で感銘を受けた仁木弾正や、荒獅子男之助、土手の道哲などはさすが市川宗家!形がキマッて本当に素敵でした。
特にラストの男之助の押し戻しでは、目をかっと見開いた睨みを観ることが出来(江戸時代には睨みを見ると熱病が治ったり、1年間風邪をひかないといわれてきた)、
その迫力のあまりの凄さに「これは悪霊もふっとぶわ~、ありがたやありがたや」って拝みたい気分になりました。
歌舞伎座では団十郎さんにも睨んでいただいたし、これで一年間、無病息災でいられるかも!?
傷心の友人は終演後コロっと態度が変わり「プライベートは別ですから、やっぱり海老蔵は素敵です」なんて調子の言いこと言っちゃって、まぁ良かったですけど(笑)
序幕と2幕で早替わり中心のお芝居で、3幕目からはじっくりとお芝居を魅せ、最後の1幕は道成寺に少し似た舞踊と言った構成でした。
先代萩はよく知ってる話なので馴染みがありましたし、お芝居の前の口上では海老様が丁寧にたっぷりと登場人物紹介をしてくれたのでとても分かりやすかったです。
終始にこやかで、なんとなくですけど海老様、婚約してから性格が丸くなった!?ような気がします。
さすがに4幕目が終わった後は腰が痛くなり、よっぽど帰ろうかと思ったのですが、最後の舞踊がなかなか面白くて、累と笑也さん演じる京潟姫の衣装も可愛かったし、うろこ四天との激しい立ち回りも見ごたえあり、悪霊となった海老様が鐘の上で見得を切るラストも決まり、観終わった後は腰の痛みも忘れ晴々とした気分でした。
この日一番の感動ポイントは、仁木弾正の宙乗りでした。
私の座る3階席の目の前をゆっくりと通り過ぎる海老様のオーラと言ったら、凄い!としか言いようがないです。
ただ何回も顔を作りなおしているせいか、お肌はボロッボロ、汗も沢山かいてらして、ちょっと気の毒でしたけど、そこがまたセクシーでした♪
これだけの大舞台、強靭な体力と精神力がないととても演じられるものではないと思います。
休むことなく昼夜合わせて一ヶ月間の公演を終えられた海老様、その他の役者の皆様、裏方の方々本当にお疲れ様でした。
海老様、2月はドラマ撮影かな?(松本清張のドラマの主役らしい)
次の舞台ってまだ決まってないのでしょうか?是非、歌舞伎座さよなら公演で拝見できるといいなって思います。
歌舞伎座と言えば、カウントダウン時計が100日を切っていました。
いよいよ、ラストが近づいて来ています。
↑劇場内にあった仁木弾正のポスター。迫力あって素敵でした!
*******************************************************
この日の着物は2日連続でぜんまい紬。
着物を変えるのが面倒だったのと、違う帯を試してみたかったってことで。
またまたフリマで安く購入した全通の名古屋帯に、古布で作った帯留のコーディネート。
前日と印象を変えたつもりだったけど、同じような色味だったためあまり変わらなかったかも(^_^;)
新橋演舞場<初春花形歌舞伎>
平成22年1月2日(土)~26日(火)
夜の部
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)
猿之助十八番の内 伊達の十役(だてのじゅうやく)
市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候
発 端 稲村ヶ崎の場
序 幕 第一場 鎌倉花水橋の場
第二場 大磯廓三浦屋の場
第三場 三浦屋奥座敷の場
二幕目 滑川宝蔵寺土橋堤の場
三幕目 第一場 足利家奥殿の場
第二場 同床下の場
四幕目 第一場 山名館奥書院の場
第二場 問註所門前の場
第三場 問註所白洲の場
大喜利 「垂帽子不器用娘(ひらりぼうしざいしょのふつつか)」
口上
仁木弾正/絹川与右衛門
赤松満祐/足利頼兼
土手の道哲/高尾太夫 海老蔵
腰元累/乳人政岡
荒獅子男之助/細川勝元
渡辺民部之助 獅 童
八汐/祐念上人 右 近
京潟姫 笑 也
三浦屋女房松代/栄御前 笑三郎
山中鹿之助/むてき坊 弘太郎
山名持豊 寿 猿
松島 春 猿
大江鬼貫/ひっち坊 猿 弥
渡辺外記左衛門 市 蔵
沖の井 門之助
新橋演舞場にて、海老様奮闘公演「伊達の十役」を観てきました。
今回は海老様好きの友人が海老様が婚約した傷心ですっかりやる気をなくし(笑)、「3階B席でいいです、あと海老蔵を観るのは最後にします」
とのことだったので安いお席にしたのですが、実際観に行って、今回ほど奮発して一等席にすればよかった!っていう公演はなかったかもしれません。
16時~21時半まで、合計5時間半(休憩入れてですが)の間、1人で男女10役を演じ、ほぼ出ずっぱりな上に、数え切れないほどの早替わりをこなした海老様。
目の前で繰り広げられるまるでマジックショーのような早替わりの光景(まさにマーベラス!)に、圧倒されると同時に、ここまで演じきれる海老様は凄い!と観終わった後は感動と興奮でいっぱいでした。
もうね、「ここまでやるか!?」って感じなんですよ。驚きの連続でした。
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)は、仙台の伊達家のお家騒動を土台にした物語で、七世市川團十郎が文化十二(一八一五)年江戸河原崎座で初演した後久しく上演が途絶えていましたが、昭和五十四年に市川猿之助さんにより復活された作品です。
ちなみに作品名の意味は「顔を紅葉のごとく真っ赤にしながら大汗をかきながら走り演じ観せる」だそうです。
まさにそんな感じです。
私は猿之助さんが演じる伊達の十役を観ていないので比べることは出来ませんが、今いる歌舞伎役者の中で、この作品を演じられるスター性と実力を持つ役者というのは市川海老蔵、ただ一人なのではないかと思います。
やり慣れない女形の演じ分けなどは多少無理があると思いましたが、一昨年の花形歌舞伎で感銘を受けた仁木弾正や、荒獅子男之助、土手の道哲などはさすが市川宗家!形がキマッて本当に素敵でした。
特にラストの男之助の押し戻しでは、目をかっと見開いた睨みを観ることが出来(江戸時代には睨みを見ると熱病が治ったり、1年間風邪をひかないといわれてきた)、
その迫力のあまりの凄さに「これは悪霊もふっとぶわ~、ありがたやありがたや」って拝みたい気分になりました。
歌舞伎座では団十郎さんにも睨んでいただいたし、これで一年間、無病息災でいられるかも!?
傷心の友人は終演後コロっと態度が変わり「プライベートは別ですから、やっぱり海老蔵は素敵です」なんて調子の言いこと言っちゃって、まぁ良かったですけど(笑)
序幕と2幕で早替わり中心のお芝居で、3幕目からはじっくりとお芝居を魅せ、最後の1幕は道成寺に少し似た舞踊と言った構成でした。
先代萩はよく知ってる話なので馴染みがありましたし、お芝居の前の口上では海老様が丁寧にたっぷりと登場人物紹介をしてくれたのでとても分かりやすかったです。
終始にこやかで、なんとなくですけど海老様、婚約してから性格が丸くなった!?ような気がします。
さすがに4幕目が終わった後は腰が痛くなり、よっぽど帰ろうかと思ったのですが、最後の舞踊がなかなか面白くて、累と笑也さん演じる京潟姫の衣装も可愛かったし、うろこ四天との激しい立ち回りも見ごたえあり、悪霊となった海老様が鐘の上で見得を切るラストも決まり、観終わった後は腰の痛みも忘れ晴々とした気分でした。
この日一番の感動ポイントは、仁木弾正の宙乗りでした。
私の座る3階席の目の前をゆっくりと通り過ぎる海老様のオーラと言ったら、凄い!としか言いようがないです。
ただ何回も顔を作りなおしているせいか、お肌はボロッボロ、汗も沢山かいてらして、ちょっと気の毒でしたけど、そこがまたセクシーでした♪
これだけの大舞台、強靭な体力と精神力がないととても演じられるものではないと思います。
休むことなく昼夜合わせて一ヶ月間の公演を終えられた海老様、その他の役者の皆様、裏方の方々本当にお疲れ様でした。
海老様、2月はドラマ撮影かな?(松本清張のドラマの主役らしい)
次の舞台ってまだ決まってないのでしょうか?是非、歌舞伎座さよなら公演で拝見できるといいなって思います。
歌舞伎座と言えば、カウントダウン時計が100日を切っていました。
いよいよ、ラストが近づいて来ています。
↑劇場内にあった仁木弾正のポスター。迫力あって素敵でした!
*******************************************************
この日の着物は2日連続でぜんまい紬。
着物を変えるのが面倒だったのと、違う帯を試してみたかったってことで。
またまたフリマで安く購入した全通の名古屋帯に、古布で作った帯留のコーディネート。
前日と印象を変えたつもりだったけど、同じような色味だったためあまり変わらなかったかも(^_^;)
新橋演舞場<初春花形歌舞伎>
平成22年1月2日(土)~26日(火)
夜の部
慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)
猿之助十八番の内 伊達の十役(だてのじゅうやく)
市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候
発 端 稲村ヶ崎の場
序 幕 第一場 鎌倉花水橋の場
第二場 大磯廓三浦屋の場
第三場 三浦屋奥座敷の場
二幕目 滑川宝蔵寺土橋堤の場
三幕目 第一場 足利家奥殿の場
第二場 同床下の場
四幕目 第一場 山名館奥書院の場
第二場 問註所門前の場
第三場 問註所白洲の場
大喜利 「垂帽子不器用娘(ひらりぼうしざいしょのふつつか)」
口上
仁木弾正/絹川与右衛門
赤松満祐/足利頼兼
土手の道哲/高尾太夫 海老蔵
腰元累/乳人政岡
荒獅子男之助/細川勝元
渡辺民部之助 獅 童
八汐/祐念上人 右 近
京潟姫 笑 也
三浦屋女房松代/栄御前 笑三郎
山中鹿之助/むてき坊 弘太郎
山名持豊 寿 猿
松島 春 猿
大江鬼貫/ひっち坊 猿 弥
渡辺外記左衛門 市 蔵
沖の井 門之助