土曜日は歌舞伎座二部を観劇。
4月大歌舞伎公演はあと残り5日とあって、歌舞伎座前はすごい人、すごい熱気。
なんでも一幕見席や当日券を求めて早朝から行列なのだとか。
私も先日会社帰りに3部の幕見を試みたけど、あえなく撃沈。想像以上のフィーバーぶりにびっくりです。
でもほんと本興行は明日までですから・・・仕方ないです。
2部は寺子屋に、三人吉三、藤娘。
時代物、世話物、舞踊の名作がバランスよく。
●寺子屋は菅原伝授手習鑑の中の一幕で、先月観た「賀茂堤」、「筆法伝授」、「道明寺」のさらに続きのお話です。
さよなら公演中に「車引」と「賀の祝」もありましたので、これで菅原伝授手習鑑はほぼ全て観たということになります。
今回は桜丸、梅王丸、松王丸の三兄弟の内の松王丸が主役です。
敵側についたものの、だれよりも菅丞相への忠義心を忘れずにいた松王丸。
丞相の息子菅秀才を守るために、わが子小太郎の命を差しだすことで、恩義に報いようとする必死の決断をする松王丸夫婦の悲しみが痛いほど伝わってきます。
松王丸を演じる幸四郎さん、前半の堂々としたたたずまいと後半の悲しみで肩を落とし悲痛な表情の演じ分けはさすが。玉様演じる千代とともに嘆く場面では、こらえきれず号泣してしまいました。
前半は仁左衛門さん演じる源蔵と勘三郎さん演じるその妻戸波が、管秀才を守るために罪のない子供を殺さねばならないという苦渋の決断をする時の表情は見ていて辛かったです。
こちらも管宰相への忠義心あればこそですから、身替りになったのが松王丸の子だと知った時の驚きと悲しみは相当なもので、そうまでして忠義を尽くしたいと思わせる管丞相の人柄については、先月上演された「筆法伝授」の仁左衛門さんの管丞相を思い出すと、納得というか理解が出来るなぁと思いました。
管丞相の息子管秀才は染様の長男金太郎君。台詞の最初は元気が良かったけど最後の方は声が小さくなってしまってアラアラって感じでしたけど、最後の歌舞伎座の舞台に立てたことはいい経験になったんじゃないかなって思います。
このお芝居、シリアスなシーンばかりではなく、寺子屋の子供たちを親が迎えに来る所はコミカルであり、いい息抜きになって結構好きだったりします。
涎くり与太郎には高麗蔵さん。花道でおとっつぁんをおんぶする所、何度観ても笑ってしまいます。
園生の前には時蔵さん、紫色の鮮やかな打ち掛けをまとい、凛としたたたずまいは息をのむほど美しく、少しの出番でしたが存在感を放っていました。
それにしても、幸四郎、玉三郎、仁左衛門、勘三郎の組み合わせなんてもう二度と見られないんじゃないかと思います。本当に素晴しい一幕でした。
●お次は三人吉三。
大川端の場は色んな顔合わせで何度か観ているけど、今回の菊五郎、吉右衛門、團十郎の3人の吉三が今まで観た中で一番豪華だし、様になっててかっこいいなぁって惚れぼれしちゃいました。
弁天小僧もそうだけど、七五調の気風のいい台詞回しはやっぱり音羽屋さんが一番!
一瞬にして声色と仕草が女から男、男から女に変わるところも上手いし、有名な名台詞の流れるようでいて、緩急のある話し方は絶妙で聴き入ってしまいました。
この日は名台詞の前、大向こうからの「待ってました!」の声があちこちから沢山かかって、会場は大盛り上がりでした。
●最後は藤娘。
会場が暗転し、パッと明かりがついて目の前に飛び込んできた藤の花の大木の美しさはすごくインパクトがあり、一瞬にして幻想的な世界に惹きこまれました。
演じる藤十郎さんの可愛らしいこと。こういう方の踊りを観ると、芸道は奥が深いなぁと思わされます。
着物の早替わりは3回だったかな?どの着物もとても可愛くて、藤の花柄の着物か帯、欲しい~って思っちゃいました。
季節的にもちょうどよい演目だし、とても華やかで、歌舞伎座の最後を締めくくるのにふさわしい踊りだったと思います。
私が歌舞伎座に足を運ぶのは今のところ残すところ明日の千穐楽の3部のみ。
ゆっくり館内を観て回れるのは最後なので、端から端までじっくりと見て回り写真を撮ってきました。
本当に本当に名残惜しい気持ちでいっぱいです・・・。
<歌舞伎座さよなら公演>
御名残四月大歌舞伎
平成22年4月2日(金)~28日(水)
第二部
菅原伝授手習鑑
一、 寺子屋(てらこや)
松王丸 幸四郎
千代 玉三郎
戸浪 勘三郎
涎くり与太郎 高麗蔵
菅秀才 金太郎
百姓吾作 錦 吾
園生の前 時 蔵
春藤玄蕃 彦三郎
武部源蔵 仁左衛門
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
大川端庚申塚の場
お嬢吉三 菊五郎
和尚吉三 團十郎
夜鷹おとせ 梅 枝
お坊吉三 吉右衛門
二、 藤娘(ふじむすめ)
藤の精 藤十郎
4月大歌舞伎公演はあと残り5日とあって、歌舞伎座前はすごい人、すごい熱気。
なんでも一幕見席や当日券を求めて早朝から行列なのだとか。
私も先日会社帰りに3部の幕見を試みたけど、あえなく撃沈。想像以上のフィーバーぶりにびっくりです。
でもほんと本興行は明日までですから・・・仕方ないです。
2部は寺子屋に、三人吉三、藤娘。
時代物、世話物、舞踊の名作がバランスよく。
●寺子屋は菅原伝授手習鑑の中の一幕で、先月観た「賀茂堤」、「筆法伝授」、「道明寺」のさらに続きのお話です。
さよなら公演中に「車引」と「賀の祝」もありましたので、これで菅原伝授手習鑑はほぼ全て観たということになります。
今回は桜丸、梅王丸、松王丸の三兄弟の内の松王丸が主役です。
敵側についたものの、だれよりも菅丞相への忠義心を忘れずにいた松王丸。
丞相の息子菅秀才を守るために、わが子小太郎の命を差しだすことで、恩義に報いようとする必死の決断をする松王丸夫婦の悲しみが痛いほど伝わってきます。
松王丸を演じる幸四郎さん、前半の堂々としたたたずまいと後半の悲しみで肩を落とし悲痛な表情の演じ分けはさすが。玉様演じる千代とともに嘆く場面では、こらえきれず号泣してしまいました。
前半は仁左衛門さん演じる源蔵と勘三郎さん演じるその妻戸波が、管秀才を守るために罪のない子供を殺さねばならないという苦渋の決断をする時の表情は見ていて辛かったです。
こちらも管宰相への忠義心あればこそですから、身替りになったのが松王丸の子だと知った時の驚きと悲しみは相当なもので、そうまでして忠義を尽くしたいと思わせる管丞相の人柄については、先月上演された「筆法伝授」の仁左衛門さんの管丞相を思い出すと、納得というか理解が出来るなぁと思いました。
管丞相の息子管秀才は染様の長男金太郎君。台詞の最初は元気が良かったけど最後の方は声が小さくなってしまってアラアラって感じでしたけど、最後の歌舞伎座の舞台に立てたことはいい経験になったんじゃないかなって思います。
このお芝居、シリアスなシーンばかりではなく、寺子屋の子供たちを親が迎えに来る所はコミカルであり、いい息抜きになって結構好きだったりします。
涎くり与太郎には高麗蔵さん。花道でおとっつぁんをおんぶする所、何度観ても笑ってしまいます。
園生の前には時蔵さん、紫色の鮮やかな打ち掛けをまとい、凛としたたたずまいは息をのむほど美しく、少しの出番でしたが存在感を放っていました。
それにしても、幸四郎、玉三郎、仁左衛門、勘三郎の組み合わせなんてもう二度と見られないんじゃないかと思います。本当に素晴しい一幕でした。
●お次は三人吉三。
大川端の場は色んな顔合わせで何度か観ているけど、今回の菊五郎、吉右衛門、團十郎の3人の吉三が今まで観た中で一番豪華だし、様になっててかっこいいなぁって惚れぼれしちゃいました。
弁天小僧もそうだけど、七五調の気風のいい台詞回しはやっぱり音羽屋さんが一番!
一瞬にして声色と仕草が女から男、男から女に変わるところも上手いし、有名な名台詞の流れるようでいて、緩急のある話し方は絶妙で聴き入ってしまいました。
この日は名台詞の前、大向こうからの「待ってました!」の声があちこちから沢山かかって、会場は大盛り上がりでした。
●最後は藤娘。
会場が暗転し、パッと明かりがついて目の前に飛び込んできた藤の花の大木の美しさはすごくインパクトがあり、一瞬にして幻想的な世界に惹きこまれました。
演じる藤十郎さんの可愛らしいこと。こういう方の踊りを観ると、芸道は奥が深いなぁと思わされます。
着物の早替わりは3回だったかな?どの着物もとても可愛くて、藤の花柄の着物か帯、欲しい~って思っちゃいました。
季節的にもちょうどよい演目だし、とても華やかで、歌舞伎座の最後を締めくくるのにふさわしい踊りだったと思います。
私が歌舞伎座に足を運ぶのは今のところ残すところ明日の千穐楽の3部のみ。
ゆっくり館内を観て回れるのは最後なので、端から端までじっくりと見て回り写真を撮ってきました。
本当に本当に名残惜しい気持ちでいっぱいです・・・。
<歌舞伎座さよなら公演>
御名残四月大歌舞伎
平成22年4月2日(金)~28日(水)
第二部
菅原伝授手習鑑
一、 寺子屋(てらこや)
松王丸 幸四郎
千代 玉三郎
戸浪 勘三郎
涎くり与太郎 高麗蔵
菅秀才 金太郎
百姓吾作 錦 吾
園生の前 時 蔵
春藤玄蕃 彦三郎
武部源蔵 仁左衛門
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
大川端庚申塚の場
お嬢吉三 菊五郎
和尚吉三 團十郎
夜鷹おとせ 梅 枝
お坊吉三 吉右衛門
二、 藤娘(ふじむすめ)
藤の精 藤十郎