10月歌舞伎、夜の部の感想です。
今月の夜の部は歌舞伎の演目の中でも人気の高い「義経千本桜」の通しです。
通しと言っても有名なすし屋の段がないので、実際はみどり狂言っぽい感じです。
義経千本桜は源義経を取り巻く人々の話で、義経に倒された平家・平知盛、吉野に住む庶民一家、義経の家臣の佐藤忠信がそれぞれ主役となって交互に上演される形を取っています。
<渡海屋・大物浦>は壇ノ浦で敗れたと思われていた平知盛が、安徳帝を掲げ平家再興を図って義経を討とうとするも、またも義経に敗れ、安徳帝を義経に預けた知盛や女官たちが入水して果てるといった話。
吉右衛門さんの知盛、迫力があって、すごく素敵でした。
特に死装束をまとった雄々しい姿は、知盛の怒りと無念の感情が全身からみなぎっており、一瞬身震いしてしまうほど。
血まみれになって戦い、体に碇を巻きつけて崖から海に後ろ向きに飛び込むシーンは実にお見事。
前にも一度観た演目ですが、知盛は吉右衛門さんのように華があって、大きい役者さんが演じるのが一番!って思います。本当に素晴しい知盛でした。
最後の最後まで安徳帝を守り、泣く泣く義経に安徳帝を託す玉様演じる典侍の局の演技もグッと来るところですが、ちょっとさっぱりしていたような。
でも十二単をまとった玉様、すごく綺麗で眼福でした。
<吉野山>の道行は義経が吉野山にいるという噂を聞いた静御前が忠信とともに都から吉野山にやってします。
静御前が肌身離さず持ち歩くのが義経の形見の初音の鼓。初音の鼓を打つと何故か忠信が現れ、おどけた踊りを披露し、義経との再会を願いつつ旅を続けるといった話。
忠信には菊五郎パパ、静御前は菊ちゃんの親子共演です。
考えてみたらこの2人の舞台を拝見するのは6月の十二夜以来なので実に3ヶ月以上ぶり、10月が本当に待ち遠しかったです。
桜が満開の吉野山に現れた2人のなんて艶やかなこと!
菊ちゃんの静御前は気品に満ちてますます美しさに磨きがかかっていたように思います。
菊五郎さんも67歳とは思えない若々しさで、菊ちゃんと並ぶと惚れぼれするような美男美女ぶりです。
忠信は実は狐で、初音の鼓は狐の両親の皮で出来ているため、親が恋しい子狐が鼓に反応するのですが、鼓が鳴ると狐の本性が出て、手を丸めて喜び踊る姿がすごく可愛らしく微笑ましかったです。
菊五郎さんの演じ分けは見事で、顔つきや、手の動き、足さばきなどで今は忠信、今は狐だって言うのがすごく良く分り、その変化を見るのがとても面白かったです。
松緑さん演じる逸見藤太は道化者で愛嬌がある役。
松緑さん、声も良く通り、動きもコミカルなので舞台がパッと明るくなって実にいいキャラクターでした。
<川連方眼館>は、河連法眼館に身を寄せる義経のもとに佐藤忠信がやってきて、対面するも、静のことは知らないと言う。
いぶかしんだ義経が静に忠信が本物かどうかを詮議させるという場面。
菊五郎さんが、前半は本物の忠信、後半は狐の忠信を演じます。
狐忠信は、飛び跳ねたり、欄干をよじ登ったりと激しい動きが沢山あり、しかも狐なので足音を立てないというのが見どころです。
67歳の菊五郎さん、確かに体力的に相当厳しそうでしたが、一つ一つの動作や型は洗練されて美しく、また子狐の親を思う愛情の深さを丁寧に演じられていて、特に義経に鼓を与えられた時の喜びようは本物の子供のように可愛らしく、なんだか微笑ましくて魅入ってしまいました。
それにしても、道行と川連方眼館を続けて演じている訳ですから、まだまだ菊五郎さん元気いっぱいです!是非是非これからも忠信を演じ続けてほしいです。
菊ちゃんの静御前の美貌はやはりまばゆいほどでしたし、普段は女形の時蔵さんの義経と2人並んだ姿も格別に美しくてずっと眺めていたい気持ちでした。
夜の部は幕見でも十分見れそうなので、是非また観に行きたいと思います!
歌舞伎座さよなら公演
芸術祭十月大歌舞伎
平成21年10月1日(木)~25日(日)
夜の部
通し狂言
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
吉野山
川連法眼館
渡海屋・大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 吉右衛門
女房お柳実は典侍の局 玉三郎
相模五郎 歌 六
亀井六郎 種太郎
伊勢三郎 尾上右 近
駿河次郎 隼 人
片岡八郎 巳之助
入江丹蔵 歌 昇
武蔵坊弁慶 段四郎
源義経 富十郎
吉野山
佐藤忠信実は源九郎狐 菊五郎
静御前 菊之助
逸見藤太 松 緑
川連法眼館
佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐 菊五郎
源義経 時蔵
静御前 菊之助
亀井六郎 権十郎
法眼妻飛鳥 秀 調
駿河次郎 團 蔵
川連法眼 彦三郎
この日は夜の部まで時間があったので表参道にお買い物。
「くるりagaru」ではネットで一目惚れした菊の帯を取り置きしてもらっていたので、引き取りに行き、「ちぇらうなぼるた」さんで、こっくりと深い色の赤い三分紐を購入。
秋になって購入意欲が倍増している私ですが、そろそろ買い控えないとなー。
それから銀座に移動し、先週見つけて大好きになった喫茶店にまたまた行っちゃいまして早めの夕食。
前回迷って食べなかった「きのことパンチェッタのパスタ」。
コンソメが効いたスープパスタに大ぶりのきのことパンチェッタとパスタがよく絡んで美味しい~!
食後はシナモンロイヤルミルクティーと、レアチーズケーキ。
ロイヤルミルクティーは香りもいいし、優しい味で癒されました。
レアチーズケーキはさっぱり目でこちらも美味。
カップは葡萄柄のウェッジウッドで素敵だわ~。
友達が食べてた合鴨のサンドイッチも美味しそうでした。
2週連続来て、美味しい美味しい言いながら食べてたものだからお店の人に目についたのか「先週もいらっしゃいましたよね?」って笑顔で言われてしまいました・・・。
恥ずかしいけど、ちょっと嬉しい瞬間でした。よしこうなったらこのお店の常連になっちゃおう。
今月の夜の部は歌舞伎の演目の中でも人気の高い「義経千本桜」の通しです。
通しと言っても有名なすし屋の段がないので、実際はみどり狂言っぽい感じです。
義経千本桜は源義経を取り巻く人々の話で、義経に倒された平家・平知盛、吉野に住む庶民一家、義経の家臣の佐藤忠信がそれぞれ主役となって交互に上演される形を取っています。
<渡海屋・大物浦>は壇ノ浦で敗れたと思われていた平知盛が、安徳帝を掲げ平家再興を図って義経を討とうとするも、またも義経に敗れ、安徳帝を義経に預けた知盛や女官たちが入水して果てるといった話。
吉右衛門さんの知盛、迫力があって、すごく素敵でした。
特に死装束をまとった雄々しい姿は、知盛の怒りと無念の感情が全身からみなぎっており、一瞬身震いしてしまうほど。
血まみれになって戦い、体に碇を巻きつけて崖から海に後ろ向きに飛び込むシーンは実にお見事。
前にも一度観た演目ですが、知盛は吉右衛門さんのように華があって、大きい役者さんが演じるのが一番!って思います。本当に素晴しい知盛でした。
最後の最後まで安徳帝を守り、泣く泣く義経に安徳帝を託す玉様演じる典侍の局の演技もグッと来るところですが、ちょっとさっぱりしていたような。
でも十二単をまとった玉様、すごく綺麗で眼福でした。
<吉野山>の道行は義経が吉野山にいるという噂を聞いた静御前が忠信とともに都から吉野山にやってします。
静御前が肌身離さず持ち歩くのが義経の形見の初音の鼓。初音の鼓を打つと何故か忠信が現れ、おどけた踊りを披露し、義経との再会を願いつつ旅を続けるといった話。
忠信には菊五郎パパ、静御前は菊ちゃんの親子共演です。
考えてみたらこの2人の舞台を拝見するのは6月の十二夜以来なので実に3ヶ月以上ぶり、10月が本当に待ち遠しかったです。
桜が満開の吉野山に現れた2人のなんて艶やかなこと!
菊ちゃんの静御前は気品に満ちてますます美しさに磨きがかかっていたように思います。
菊五郎さんも67歳とは思えない若々しさで、菊ちゃんと並ぶと惚れぼれするような美男美女ぶりです。
忠信は実は狐で、初音の鼓は狐の両親の皮で出来ているため、親が恋しい子狐が鼓に反応するのですが、鼓が鳴ると狐の本性が出て、手を丸めて喜び踊る姿がすごく可愛らしく微笑ましかったです。
菊五郎さんの演じ分けは見事で、顔つきや、手の動き、足さばきなどで今は忠信、今は狐だって言うのがすごく良く分り、その変化を見るのがとても面白かったです。
松緑さん演じる逸見藤太は道化者で愛嬌がある役。
松緑さん、声も良く通り、動きもコミカルなので舞台がパッと明るくなって実にいいキャラクターでした。
<川連方眼館>は、河連法眼館に身を寄せる義経のもとに佐藤忠信がやってきて、対面するも、静のことは知らないと言う。
いぶかしんだ義経が静に忠信が本物かどうかを詮議させるという場面。
菊五郎さんが、前半は本物の忠信、後半は狐の忠信を演じます。
狐忠信は、飛び跳ねたり、欄干をよじ登ったりと激しい動きが沢山あり、しかも狐なので足音を立てないというのが見どころです。
67歳の菊五郎さん、確かに体力的に相当厳しそうでしたが、一つ一つの動作や型は洗練されて美しく、また子狐の親を思う愛情の深さを丁寧に演じられていて、特に義経に鼓を与えられた時の喜びようは本物の子供のように可愛らしく、なんだか微笑ましくて魅入ってしまいました。
それにしても、道行と川連方眼館を続けて演じている訳ですから、まだまだ菊五郎さん元気いっぱいです!是非是非これからも忠信を演じ続けてほしいです。
菊ちゃんの静御前の美貌はやはりまばゆいほどでしたし、普段は女形の時蔵さんの義経と2人並んだ姿も格別に美しくてずっと眺めていたい気持ちでした。
夜の部は幕見でも十分見れそうなので、是非また観に行きたいと思います!
歌舞伎座さよなら公演
芸術祭十月大歌舞伎
平成21年10月1日(木)~25日(日)
夜の部
通し狂言
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
吉野山
川連法眼館
渡海屋・大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 吉右衛門
女房お柳実は典侍の局 玉三郎
相模五郎 歌 六
亀井六郎 種太郎
伊勢三郎 尾上右 近
駿河次郎 隼 人
片岡八郎 巳之助
入江丹蔵 歌 昇
武蔵坊弁慶 段四郎
源義経 富十郎
吉野山
佐藤忠信実は源九郎狐 菊五郎
静御前 菊之助
逸見藤太 松 緑
川連法眼館
佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐 菊五郎
源義経 時蔵
静御前 菊之助
亀井六郎 権十郎
法眼妻飛鳥 秀 調
駿河次郎 團 蔵
川連法眼 彦三郎
この日は夜の部まで時間があったので表参道にお買い物。
「くるりagaru」ではネットで一目惚れした菊の帯を取り置きしてもらっていたので、引き取りに行き、「ちぇらうなぼるた」さんで、こっくりと深い色の赤い三分紐を購入。
秋になって購入意欲が倍増している私ですが、そろそろ買い控えないとなー。
それから銀座に移動し、先週見つけて大好きになった喫茶店にまたまた行っちゃいまして早めの夕食。
前回迷って食べなかった「きのことパンチェッタのパスタ」。
コンソメが効いたスープパスタに大ぶりのきのことパンチェッタとパスタがよく絡んで美味しい~!
食後はシナモンロイヤルミルクティーと、レアチーズケーキ。
ロイヤルミルクティーは香りもいいし、優しい味で癒されました。
レアチーズケーキはさっぱり目でこちらも美味。
カップは葡萄柄のウェッジウッドで素敵だわ~。
友達が食べてた合鴨のサンドイッチも美味しそうでした。
2週連続来て、美味しい美味しい言いながら食べてたものだからお店の人に目についたのか「先週もいらっしゃいましたよね?」って笑顔で言われてしまいました・・・。
恥ずかしいけど、ちょっと嬉しい瞬間でした。よしこうなったらこのお店の常連になっちゃおう。