10月歌舞伎、昼の部の感想です。(観に行ったのは12日)
この日は早起きして着物を着、いざ歌舞伎座へ。
買ったばかりの塩瀬の帯が非常に締めにくく、手こずってしまったので歌舞伎座に着いたら開演ギリギリ、有楽町から東銀座の道のりが日差しが強かったのでもう汗だく状態でした。
10月と言っても天気が良いとまだ袷の着物は暑いんですよね、でも歌舞伎座だから単衣じゃまずいし、長襦袢だけでも単衣にすればよかったってちょっと後悔。
この日は「秋」を意識したコーディネート。
亡くなった祖母から譲り受けた青と緑の紅葉の小紋に、先日くるりで購入した菊柄の塩瀬帯。半衿も松と紅葉の柄。
(写真は家に帰って撮ったので着崩れてしまっていますが・・・。)
菊の帯は秋にぴったりですし、菊五郎・菊之助ファンとしては絶対はずせないアイテムです。
菊の帯って渋いデザインが多いけどこの帯はピンクで可愛らしいのがお気に入りです。
たぶん今月と来月はヘビロテの予定。
まずは歌舞伎十八番「毛抜」。
歌舞伎十八番は市川團十郎家のお家芸として選定された18の演目のうちの一つです。
「毛抜」はお姫様の毛が逆立つ奇病になってしまったり、大きな毛抜きが躍り出すって解説で読んでいたのでどんな話なんだ!?って気になってしょうがなかった演目です。
結局髪の毛が逆立つのは玄蕃の悪だくみで、天井裏に間者が大きな磁石を持って潜んで、姫の鉄の髪飾りに反応させ、髪の毛が逆立っているように仕組んだという訳です。
三津五郎さん演じる弾正は、おおらかで茶目っ気のあるキャラクター。
男女問わず迫ってみたりと、性格はあれ?って感じなのですが、実はキレ者で敵の仕掛けを見事暴いてしまうというスーパーヒーローです。
三津五郎さんは背丈もそんなに大きくないし、時代物より踊りや世話物の方が好みなので、今回はどうかな?って思ってましたが、すごく逞しくて大きく見えたし、ちょっとクセのある弾正のキャラクターにぴったりだと思いました。
また若手である松也君の小野春風、秀太郎の巳之助くん、錦の前の梅枝君、と重要な役をしっかりと演じており、華やかな舞台だけに若々しくてとても良かったと思いました。
続いて「蜘蛛の拍子舞」。
「紅葉狩」に非常に良く似た舞踊劇です。
白拍子妻菊に化けた蜘蛛の精を、源頼光と四天王が退治をするお話。
蜘蛛の精を玉様、源頼光には菊ちゃん、四天王には松緑、萬太郎くん、右近くん、三津五郎さんと華やかな顔ぶれが揃います。
白拍子の玉様ももちろん美しかったのですが、それ以上に美男子だったのが菊ちゃん。
白い着物に小忌衣(おみごろも)という襟の立った煌びやかな衣装に病鉢巻が、気品があってなんともセクシーでした。
玉様、菊ちゃん、松緑の3人で拍子に合わせて踊る踊りは華やかで、3人の息もぴったり合っていたので見応えがあり良かったです。
途中で正体が見破られる玉様。蜘蛛の糸を投げて立ち去ると、舞台の中央に大きな着ぐるみの蜘蛛が花四天と激しい立ち回りを繰り広げます。
そして最後にすっぽんから登場したのが代赭隈(たいしゃぐま)で恐ろしい扮装の玉様演じる蜘蛛の精。
さっきまであんなに可憐な娘だった玉様が、信じられない位の不気味な変貌を遂げているのが見物です。
蜘蛛の糸を惜しげもなくまき散らし、四天王と戦うのですが、宙を舞う糸がすっごく綺麗で、見ていてワクワクして面白かったです。
侍姿の菊ちゃんも凛々しくて、かっこいい~。
とどめを刺す太刀裁きもキマッていて、ほんと素敵、素敵すぎて見とれちゃいました。
今月半ばには舞台写真が売られると思うので、忘れずに買いにいかなくっちゃです。
お次は「河庄」。
上方の和事の代表的な作品らしいのですが、上方の男性はだらしないキャラクターが多いので基本こういうのはあまり得意ではなく、キャストを見たら藤十郎、時蔵、段四郎だったので、申し訳ないけどパス!
冒頭の丁稚と小春の会話の場面のみ見たのですが、児憎たらしいけど憎めなくて可愛らしい萬太郎君が見れたのでそれだけで満足です。
最後にお待ちかね、松緑の長男藤間大河くんの初お目見得「音羽嶽だんまり」です。
もともと20分位の短い演目なのですが、最初に三味線と義太夫の語りがあったので、賞味15分あったか?って感じであっという間に終わってしまいました。
幕が上がると、上手から富十郎さん、松緑&大河ちゃん、菊五郎さん、吉右衛門さんのみ。
暗い森の中の設定だからセットもなんか地味だし、ちょっと寂しいような・・・。
さくさくと挨拶が進み、最後に松緑が「大河挨拶をしなさい」を言い終わる前に大河くんが「よろしくお願いいたします!」ってすっごい元気よく挨拶できました。
大河くん、正座やお辞儀するのがやっとって位ちっちゃくてかわいい~!!!
顔立ちはお父さんに似てるかはわからないけど、キリっと意志が強そうな感じで、将来役者としていい顔になりそうだなって思いました。
挨拶のあとすぐに花見から松緑に抱かれてはけてしまい、短すぎ~って思っちゃいました。
そのあと、わらわらと菊ちゃん、團蔵さん、魁春さん、錦之助さんらが現れてだんまりです。
菊ちゃんの綺麗なお姫様姿、もっと観ていたかったのに、これもすぐ終了。
ある意味贅沢っちゃ贅沢ですが、あっさりしすぎてて拍子抜けでした。
でも初舞台ですからあんなものかもしれません。大河くん、次は新しい歌舞伎座で初舞台かな。その時どんな舞台を見せてくれるのかが今から楽しみです。
また、菊五郎さんが、まるで自分の孫を見るかのように嬉しそうで、きっと菊ちゃんの子供も早く見たいんだろうな~なんて思っちゃいました。
菊ちゃんもいいお年ですから、そろそろ素敵な女性を見つけて結婚してもいい頃なんですよね。
今月は全体で見ると夜の部の方が見応えがあって好きでしたが、昼の部の「蜘蛛の拍子舞」もなかなか面白く、もう一度観たかったなぁと思いました。
でも今月はすでに予定がいっぱいで、お金もないので来月の観劇まで我慢です。
来月は演舞場の花形歌舞伎に、歌舞伎座の仮名手本忠臣蔵!すっごく楽しみです!
芸術祭十月大歌舞伎
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 三津五郎
小原万兵衛実は石原瀬平 錦之助
小野春風 松 也
錦の前 梅 枝
秦秀太郎 巳之助
八剣数馬 萬太郎
腰元若菜 吉 弥
秦民部 秀 調
八剣玄蕃 團 蔵
小野春道 東 蔵
腰元巻絹 魁 春
二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)
花山院空御所の場
白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精 玉三郎
碓井貞光 松 緑
渡辺綱 萬太郎
ト部季武 尾上右 近
源頼光 菊之助
坂田金時 三津五郎
三、心中天網島
玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛 藤十郎
紀の国屋小春 時 蔵
江戸屋太兵衛 亀 鶴
五貫屋善六 寿治郎
丁稚三五郎 萬太郎
粉屋孫右衛門 段四郎
河内屋お庄 東 蔵
四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
藤間大河初お目見得
音羽夜叉五郎 菊五郎
奴伊達平 松 緑
稚児音若 初お目見得藤間大河(松緑長男)
大内息女大姫 菊之助
大江三郎 権十郎
結城左衛門 錦之助
白拍子仏御前 萬次郎
鎌田蔵人 團 蔵
夕照の前 魁 春
局常盤木 田之助
畠山重忠 吉右衛門
雲霧袈裟太郎 富十郎
この日は早起きして着物を着、いざ歌舞伎座へ。
買ったばかりの塩瀬の帯が非常に締めにくく、手こずってしまったので歌舞伎座に着いたら開演ギリギリ、有楽町から東銀座の道のりが日差しが強かったのでもう汗だく状態でした。
10月と言っても天気が良いとまだ袷の着物は暑いんですよね、でも歌舞伎座だから単衣じゃまずいし、長襦袢だけでも単衣にすればよかったってちょっと後悔。
この日は「秋」を意識したコーディネート。
亡くなった祖母から譲り受けた青と緑の紅葉の小紋に、先日くるりで購入した菊柄の塩瀬帯。半衿も松と紅葉の柄。
(写真は家に帰って撮ったので着崩れてしまっていますが・・・。)
菊の帯は秋にぴったりですし、菊五郎・菊之助ファンとしては絶対はずせないアイテムです。
菊の帯って渋いデザインが多いけどこの帯はピンクで可愛らしいのがお気に入りです。
たぶん今月と来月はヘビロテの予定。
まずは歌舞伎十八番「毛抜」。
歌舞伎十八番は市川團十郎家のお家芸として選定された18の演目のうちの一つです。
「毛抜」はお姫様の毛が逆立つ奇病になってしまったり、大きな毛抜きが躍り出すって解説で読んでいたのでどんな話なんだ!?って気になってしょうがなかった演目です。
結局髪の毛が逆立つのは玄蕃の悪だくみで、天井裏に間者が大きな磁石を持って潜んで、姫の鉄の髪飾りに反応させ、髪の毛が逆立っているように仕組んだという訳です。
三津五郎さん演じる弾正は、おおらかで茶目っ気のあるキャラクター。
男女問わず迫ってみたりと、性格はあれ?って感じなのですが、実はキレ者で敵の仕掛けを見事暴いてしまうというスーパーヒーローです。
三津五郎さんは背丈もそんなに大きくないし、時代物より踊りや世話物の方が好みなので、今回はどうかな?って思ってましたが、すごく逞しくて大きく見えたし、ちょっとクセのある弾正のキャラクターにぴったりだと思いました。
また若手である松也君の小野春風、秀太郎の巳之助くん、錦の前の梅枝君、と重要な役をしっかりと演じており、華やかな舞台だけに若々しくてとても良かったと思いました。
続いて「蜘蛛の拍子舞」。
「紅葉狩」に非常に良く似た舞踊劇です。
白拍子妻菊に化けた蜘蛛の精を、源頼光と四天王が退治をするお話。
蜘蛛の精を玉様、源頼光には菊ちゃん、四天王には松緑、萬太郎くん、右近くん、三津五郎さんと華やかな顔ぶれが揃います。
白拍子の玉様ももちろん美しかったのですが、それ以上に美男子だったのが菊ちゃん。
白い着物に小忌衣(おみごろも)という襟の立った煌びやかな衣装に病鉢巻が、気品があってなんともセクシーでした。
玉様、菊ちゃん、松緑の3人で拍子に合わせて踊る踊りは華やかで、3人の息もぴったり合っていたので見応えがあり良かったです。
途中で正体が見破られる玉様。蜘蛛の糸を投げて立ち去ると、舞台の中央に大きな着ぐるみの蜘蛛が花四天と激しい立ち回りを繰り広げます。
そして最後にすっぽんから登場したのが代赭隈(たいしゃぐま)で恐ろしい扮装の玉様演じる蜘蛛の精。
さっきまであんなに可憐な娘だった玉様が、信じられない位の不気味な変貌を遂げているのが見物です。
蜘蛛の糸を惜しげもなくまき散らし、四天王と戦うのですが、宙を舞う糸がすっごく綺麗で、見ていてワクワクして面白かったです。
侍姿の菊ちゃんも凛々しくて、かっこいい~。
とどめを刺す太刀裁きもキマッていて、ほんと素敵、素敵すぎて見とれちゃいました。
今月半ばには舞台写真が売られると思うので、忘れずに買いにいかなくっちゃです。
お次は「河庄」。
上方の和事の代表的な作品らしいのですが、上方の男性はだらしないキャラクターが多いので基本こういうのはあまり得意ではなく、キャストを見たら藤十郎、時蔵、段四郎だったので、申し訳ないけどパス!
冒頭の丁稚と小春の会話の場面のみ見たのですが、児憎たらしいけど憎めなくて可愛らしい萬太郎君が見れたのでそれだけで満足です。
最後にお待ちかね、松緑の長男藤間大河くんの初お目見得「音羽嶽だんまり」です。
もともと20分位の短い演目なのですが、最初に三味線と義太夫の語りがあったので、賞味15分あったか?って感じであっという間に終わってしまいました。
幕が上がると、上手から富十郎さん、松緑&大河ちゃん、菊五郎さん、吉右衛門さんのみ。
暗い森の中の設定だからセットもなんか地味だし、ちょっと寂しいような・・・。
さくさくと挨拶が進み、最後に松緑が「大河挨拶をしなさい」を言い終わる前に大河くんが「よろしくお願いいたします!」ってすっごい元気よく挨拶できました。
大河くん、正座やお辞儀するのがやっとって位ちっちゃくてかわいい~!!!
顔立ちはお父さんに似てるかはわからないけど、キリっと意志が強そうな感じで、将来役者としていい顔になりそうだなって思いました。
挨拶のあとすぐに花見から松緑に抱かれてはけてしまい、短すぎ~って思っちゃいました。
そのあと、わらわらと菊ちゃん、團蔵さん、魁春さん、錦之助さんらが現れてだんまりです。
菊ちゃんの綺麗なお姫様姿、もっと観ていたかったのに、これもすぐ終了。
ある意味贅沢っちゃ贅沢ですが、あっさりしすぎてて拍子抜けでした。
でも初舞台ですからあんなものかもしれません。大河くん、次は新しい歌舞伎座で初舞台かな。その時どんな舞台を見せてくれるのかが今から楽しみです。
また、菊五郎さんが、まるで自分の孫を見るかのように嬉しそうで、きっと菊ちゃんの子供も早く見たいんだろうな~なんて思っちゃいました。
菊ちゃんもいいお年ですから、そろそろ素敵な女性を見つけて結婚してもいい頃なんですよね。
今月は全体で見ると夜の部の方が見応えがあって好きでしたが、昼の部の「蜘蛛の拍子舞」もなかなか面白く、もう一度観たかったなぁと思いました。
でも今月はすでに予定がいっぱいで、お金もないので来月の観劇まで我慢です。
来月は演舞場の花形歌舞伎に、歌舞伎座の仮名手本忠臣蔵!すっごく楽しみです!
芸術祭十月大歌舞伎
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 三津五郎
小原万兵衛実は石原瀬平 錦之助
小野春風 松 也
錦の前 梅 枝
秦秀太郎 巳之助
八剣数馬 萬太郎
腰元若菜 吉 弥
秦民部 秀 調
八剣玄蕃 團 蔵
小野春道 東 蔵
腰元巻絹 魁 春
二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)
花山院空御所の場
白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精 玉三郎
碓井貞光 松 緑
渡辺綱 萬太郎
ト部季武 尾上右 近
源頼光 菊之助
坂田金時 三津五郎
三、心中天網島
玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛 藤十郎
紀の国屋小春 時 蔵
江戸屋太兵衛 亀 鶴
五貫屋善六 寿治郎
丁稚三五郎 萬太郎
粉屋孫右衛門 段四郎
河内屋お庄 東 蔵
四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
藤間大河初お目見得
音羽夜叉五郎 菊五郎
奴伊達平 松 緑
稚児音若 初お目見得藤間大河(松緑長男)
大内息女大姫 菊之助
大江三郎 権十郎
結城左衛門 錦之助
白拍子仏御前 萬次郎
鎌田蔵人 團 蔵
夕照の前 魁 春
局常盤木 田之助
畠山重忠 吉右衛門
雲霧袈裟太郎 富十郎