酒とバラと魚の日々

熱帯魚にはまる、ソムリエ・バーテンダーのkinoの日々。

昔行った、台北の写真がでてきたので…そして、詐欺師とのやり取り。

2010-10-24 18:54:19 | バラ
フランスに行くときのトランジェットの待ち時間が10時間もあったので、台北の町をまわってみました。


英語はフランス以上に通じませんでした。観光地は日本語のほうが通じやすいかも知れません。


飛行機の中から撮ったのですが、これどこ?



空港に付き、繁華街へ行こうと思っていたのですが、タクシーやバスの呼び込みが激しく、プッシュされると引いてしまう私には、かなり不向きの国であることがこの時点で判明しました。


結局、空港内にあるバス会社のバスに乗りました。価格は他より高かったのでしょうが、龍や派手な何かの飾りがいっぱい付いた、ちょっと恥ずかしい感じの大型観光バスに1人貸切で出発です。



市街地に着くと、昭和中期の臭いぷんぷんな町並みで、なんだか懐かしい雰囲気です。





とにかく、スクーターが多く、2人乗り、3人乗りは当たり前。


こんなところに意外な看板がありました。


色合いがとにかく独特です。





ふらふらしていると、地元の女性らしき人が「日本の方ですか?」と話しかけてきます。

要約すると、知り合いの日本人が病気で倒れて、自分には全ての日本語が理解できず困っていると言う内容でした。

ちょっと危険な感じもしましたが、時間が余っていたので助けに行くことにしました。


ホテルへ案内され、部屋に入ると車椅子の日本人風の女性がいました。どこが悪いのか聞いていると、部屋の奥からレイズ(ビリヤードの世界的な神プレイヤー)にそっくりな男の人が現れ、自分はプロのカジノのディーラーだとライセンスカードの様な物を見せてきます。


エフレン・レイズ。本当に神がかったハスラーです。



病人はそっちのけで、有無を言わさず100%勝てるブラックジャックのいかさまプレイを自分に教えてくれます。レイズ似の男は英語が話せました。



この時点で、これは詐欺か何かの類な事は確実で、お金を何らかの方法で自分から奪うのだろうと思いました。が、何だかこのカオス状態が面白くて付き合ってみようと思いました。力ずくならブラックジャックなんてしないでしょうし。

この男性は片足を悪くしているようで、万が一武器を持っていたとしても、最初の女性、車椅子の女性、レイズ似のディーラーの3人なら問題は無いだろうとしばらく相手をしていたのですが…



30分ぐらいでいかさまプレーを完全マスターしました。筋が良いと褒められました。うれしー。


しばらく見ていたのですが、レイズ似の男はカードの扱いが巧みで、自在に目的のカードを出すことができるようです。かなりの技術です。あたかも私がカードを判断して勝ちに持っていくように思わせていますが、結局レイズ似の男しだいで勝敗は決まります。



レイズ似の男が「今からこの部屋にお客さんが来るので、さっき教えたブラックジャックで稼がないか?」と言ってきました。


いよいよ修羅場です。


何人の男が来るのか…、部屋の周りの武器になりそうな物、逃走経路など考えているとメガネにスーツ姿のとても小さな男が独り、ポツンと。外人とはいえセリフが棒読み、スーツは着慣れていない感じがみえみえで、つっこみたい気持ちや吹きだしそうな気持ちを何とか抑えることができました。



みんなが揃ったところで、レイズ似の男が「ゲームをしますか?イエスかノーで答えてください」と聞いてきました。法的な問題があるのでしょう、やたらと丁寧に聞いてくるので、やってみたかったのですが「ノー」と言いました。多分ここでは勝たせてもらえたでしょう。しかし、一度お金を貰うとこれまでとは全く違う危険な展開になりそうだったので。



お別れに、自分の国の硬貨を投げると縁起が良いからと言われ、所持する財布の位置を確認されながらも言う通りにし、お別れしました。


最初の女性が見送りでしばらく付いてきていましたが、私からは財布を取れないと思ったらしく帰っていきました。ただ働きをさせてごめんなさい。




長くなりましたが、この一連の出来事は、多分、わざとクオリティーの低い詐欺芝居をして、いつでも逃げることができると日本人に思わせ、どこかのカジノに連れて行ってから本性を現すというものなのではないかと思いました。


良いくらいに時間が潰せたので、空港にもどり、夕食にラーメンぽい物と、レモンスカッシュっぽいものを頼みました。





高からず、安からず、うまからず…


今回はここまで。