本日の運動不足解消対策山登りは、前回の高川山の東向かい、九鬼山へ。前回に比べ数箇所の山を通る(数回のアップダウンがある)ためヘトヘト度高め。眺望〜が見えない〜〜〜 pic.twitter.com/UolGGE2H8x
— 地理人/今和泉隆行 (@chi_ri_jin) October 4, 2020
大晦日です。振り返りは続きます…が、振り返りというより今回は今後の予定、見込み情報です。
昨年からの方針ですが、新刊は積極的にどんどん出していく方針としました。
昨年の振り返りでも、ほどほどヒットを狙うには本が良いという話は書きました。
要約すると、無報酬の趣味では、定期的にコンテンツを作り続けたり、膨大なコンテンツのアウトプットをする手間と時間を割けない、続かないと思っています。Youtubeやブログでは、しばらく無報酬のまま続け、その後大ヒットすれば収入が入るが、しなければ入らないという結構な博打打ちです。それまで定期的に、マメにコンテンツ出し続ける必要がありますが、その気力と自己管理能力がないので、私には向かないという話でした。その点、本は最初に刷る部数に対して(本によっては売れた部数に対して)何%と割合が決まっていて、契約書で印税の割合を決められます。運営の一存で静かに変わるYoutubeよりは、圧倒的にフェアです。
そんなカネの話は置いといて…誰からも頼まれなくてもマメにコンテンツを出し続ける自己管理力がなくても、どんな構成、内容で作れば良いかを相談する相手(→編集者)がいて、私が営業しなくても全国の書店、あるいは電子書籍マーケットに届き、数年経っても実績として出すことができるというのは、書籍出版の大きな魅力でもあります。また、イベントや取材、テレビ・ラジオ出演では、これまでヒットしたもの、話題になったもののアウトプットが求められます。私であれば空想地図、およびこれまで空想地図作家としての活動、となります。まだヒットしていない、価値も定まらぬ未来のアウトプットについては求められません。
では私は、新しく何をしたいのか、したほうが良いのか。
1. 空想地図帳(学芸出版社)
ひとつは前記事で書いたような、空想地図キュレーターとしての動きです。
あらゆる空想地図作者が描いた空想地図をもとに、世界、地域、都市のなりたちが見える「空想地図帳」(仮)、学芸出版社より刊行予定です。
こちらは前投稿でたっぷり書いたので、今回の投稿では割愛します。
2. 地理人と全国300都市を回ったら(光文社新書)
タイトルの話は一切しておらず、いま仮題をつけたばかりで明日には忘れるやつですが、企画は進んでいて、既に2万字ほど書き進めています。
こちらはアウトプット手段の新規拡張です。なんと、エッセイ調。書籍刊行そのものも「え?私?」てな感じでしたが、エッセイはさらに…です。新人編集者さんからの依頼でしたが、すんなり企画が通ってしまったとのこと。なぜに…?なんせ、私自身がエッセイをほとんど読まぬのです。読まないし書いたことないしニガテでしかないだろ…と思ったんですが、一回深呼吸し、深く唾液を飲み込んで考えました(誇張が含まれています)。
2006年9月、大学3年生の頃、私は両親と同居していた。大学生の夏休みは長く、旅にはうってつけの時期だ。東北と北海道を1週間ほどで回る予定を、両親に1ヶ月前に伝えると、母親は「なんでまたそんなところに行くのか」と言う。なんでと言われても…そのときは回答に困った。成人したし、財源は自分のバイト代の収入だし、行くことには変わりなかったのだが、1ヶ月前に報告すると「事前の相談」みたいになってしまい、なぜ行くかの説明が求められるような気がした。名案を思いついた。行く直前に言えばいいのだ。相談ではなく「出かけます」という宣言に近い報告にすればいい。そうやってそれ以降は乗り切った。
あとで母から聞いた話なのだが、行くのを止めようと思った訳ではなく、ただ単に、なんで行くのか気になっただけだと言う。ねぶたや雪まつりを見たいとか、本場の芋煮やジンギスカンを食べたいとか、東北や北海道に行く人が目的にしそうなことを一切言わないので、その動機が何のかが単純に気になったのだと言っていた。確かに、言われてみればそうだ。私はむしろ混みそうなイベントの時期は避け、回りたい観光地がある訳でもなかった。目的地は各地方都市そのものと、各都市を結ぶ移動手段である普通列車だった。目的地が地方都市と普通列車だ、ということは当時、伝わる気がしなかったどころか、私もそれが主目的地であるということに自信がなかった。この本をもって、当時の質問の回答としたい。
今でこそ「地方が良い」とか、地方都市の魅力は語られるようになったが、私が全国を回り始めた2000年代は、観光地以外の地域は、特に注目されてもいなかった。京都や金沢等、都市自体が観光地になるような都市を除いては、地方都市に行くと言うと「なんで行くの?」と言われるようなことだった。ただ、地方都市に行くと第二、第三の故郷かつ第二、第三の新生活がみつかる気がして、ただただ追いかけるように回っていたのだ。
こんな書き出しで始まり、やがて北海道から九州、沖縄まで、全国を普通列車と路線バス、フェリーで回る話です。
おもしろい本になるんですかね〜。なるといいんですが。
うまくいかないかもしれませんが、うまくいけば文章表現力の拡張、となります。
3. 歩くだけで世界が見える 東アジア編(未定)
最後に…またまた別のアウトプット手段の拡張です。なんとイラスト。
誰からもイラストを描いてほしいと頼まれたことも、期待されたこともありません。そりゃそうだ。でも空想地図も、全国回ることも、もともとそうだった訳です。むしろ誰からも期待されないほうが、新しそうだし縛られず自由にできるという側面もあります。
そして届けるターゲットを広げるとしたら…これまで人文書の版元が続いています(白水社・晶文社)。アカデミックな文系の知的好奇心旺盛な層、およびそのフォロワー(人文書の層)に、地理人の動きは届いてきたような気がします。ではまだ届いていなくて、届きそうな層はどこか。実用書…昨年の方向オンチ本はそうでしたが、希少価値の追求を目指すなら一旦は先送りします。一般書…となると県民性の雑学とか、既にある需要にリーチしていくことが多いと思うので、類書の山の中で埋もれることになります。
そこでとある出版社さんに自発的に提案しました(初)。まだ審議中ということで、決まっていませんが、決まったら進めます。
ところで何の本だ、って話ですよね。
空想ながらその国、その地域らしい典型的な街の一面をイラストで描き、深読みする都市図解本です。
このようなイラストと切り口です。
改札やホームに向かう階段の位置が同じ、日中韓台の架空の駅をイラストで描き、各国、各地方の習慣や考え方の違いを読み解く本です。
駅だけでなく街や店舗、住宅〜等、見過ごしそうだけどよく目に入るものをいくつか挙げるつもりです。ちなみに158という数字は適当で、実際にはこれともうひとつくらいしかできていません。
そして!もうひとつ…共著者、三文字昌也氏を巻きみました。
単著を出したい方が多い中で言うのは躊躇するんですが、私はずっと単著が続き孤独でした。単著沼を抜け出したい…!しかし抜け出す方法はあります。誘えばいいのです。誘うの、何より苦手なんですが…しかし見つけました、都市のスペシャリスト。まだまだ若くして、都市計画という都市のマクロ研究者であり、屋台研究やゲストハウス運営という都市ミクロプレイヤーである、このマクロとミクロの両者を揃えた逸材はなかなかいないのですが、デキる人は大物になる前につかまえないとつかまらない…今しかないのか…ということで誘うに至りました。彼はもともと建築の出なので、イラストは描けます。いろいろ教えて〜〜
(つづく)
#これが私の代表作
— りーべ (@Ribe_19) December 8, 2020
制作に1年費やした、世界に一つだけの手描き空想地図 pic.twitter.com/JIKomFlYie
明治42年と大正3年の鷹津市中心部の5万分1地形図。遷都の決定後わずか5年で一気に市街地が広がった。このあとも急速に発展し、日本が昭和に入る頃にはこの図の範囲のうち宮城以外がほぼすべて市街地となった。 #空想地図 #架空地図 #架空今昔マップ #鷹津市 pic.twitter.com/AEUQT26RTQ
— りーべ (@Ribe_19) November 20, 2020
2万分の1正式図「青波」より一部
— 京絲京 (@kyo_ito_kyo) November 11, 2020
A4サイズの架空古地図が完成しました!
ご質問、ご感想等お待ちしております。 pic.twitter.com/mdxAVYzXzC
進捗(S40)#架空地図 pic.twitter.com/xfCpr7Ko4v
— 京絲京 (@kyo_ito_kyo) December 21, 2020
B1サイズ(1/10,000)完成した#空想地図 #架空地図 pic.twitter.com/UO8wEeOog8
— 275きろぼると (@275kV) September 5, 2020
【空想地図】高見市中心部
— shintama (@pededeck) December 17, 2020
近世は与傍・町居両郡における物資の集散拠点として、内次神社門前の朱後街道を中心に市場町を形成
朱後街道は東国街道の脇往還として使われ、宿場の機能も果たす
近代には郡役所が置かれるなど繁栄を維持するも、現代では物流の幹線から外れ衰退傾向 pic.twitter.com/DIwB89pBLm
《オンライン開催検討中》空想地図作者の技能向上のための「空想地図塾」オンライン開催を検討中です。事前課題に沿って手描きでラフで地図を描き、気になるところをピックアップ。参加者同士で意見交換、参考となる実地の地図情報を行うプログラムを予定しています。(私、捨て身のフリー素材化…) pic.twitter.com/HPK89X88O5
— 地理人/今和泉隆行 (@chi_ri_jin) December 8, 2020
というのも、以前から少々企業案件はありました。2016〜17年頃、そのピークは来ました。自治体や企業のまちづくり地域活性化関連や、地図会社の新商品開発、新たな地域の区切り方、分類の提案等。よぉーしこうして企業さんに地理情報の独特の切り口を提供する価値提供をするぞ、と思って法人にしてみた、という経緯もあります。
しかしこうした仕事は単発で終わるか、長く続いて2年でした。こうした仕事はあまり表に出ることがなく、その仕事が次の仕事を呼びにくい、というのもあるでしょう。しかし大きいのは、私が外から見られる印象は、あくまで空想地図や著述を中心としたアウトプットが主軸で、そこからの話題提供や新たな道筋作りへの期待があった、と見て良いと思います。
薄紫色のB1が、ほぼ企業案件です。2016〜18年にピークを迎え、それ以降その割合は下がっています。その代わり上がっているのが、C1とC2、つまりはアートや著述、物販等、皆さんから見える、作家っぽい側面です。もともとこちらは単価が低く収入源にならなそう、と思っていたのですが、数を重ねれば大きくなり、著述や展示だと企業の1回限りのお仕事よりは(金銭的に)良かったりします。お金の話っすか…?いやいや、実は1回の単価の額はさほど重要ではありません。
大事なのは、その仕事が次の仕事を呼んだり、その仕事そのものがその後も続くかどうかです。企業案件はさきほど書いた通り、単発か、長くて2年でした。著述や展示、物販こそ一発屋で終わるのでは、と思っていたのですが、こちらは案外2年以上続いているのです。そうか、こちらのほうが引きが強いのか…。
JMAMが主催する成長志向のビジネスマン向けのプログラムの一貫で、空想地図ワークショップをテスト実施してみたのですが、なにせお相手は研修やワークショップのプロ。これまでワンオペ試行錯誤の孤独が続いてたので、プロとともにプログラムをブラッシュアップできる!よっしゃ、という心持ちでした。どこでどんなワークを入れるか、その導入や順番、長さ、伝え方…等どう改良していこうか、そしてそこから何か学んで吸収しよう、と思っていたのですが…
プログラムのフィードバックコメントをいただきます。要約すると…
そうか、求められているのは価値提供ではなく、作家なのか。アートだったり著述だったり、そういう不安定なやつか。そしてその不安定なほうが、世間から見ると価値だったりするわけか…。
30歳を越えたら、価値にならなそうなトライアンドエラーの蓄積の活用、展開を考えるフェーズ、と思っていたのですが、そうではなく、価値にならなそうなトライアンドエラーそのものが求められているのか。価値を考えない自分本位の暴走が価値である、という、価値とは何なんだかわからない倒錯状態に、少なくとも混乱しました。
より詳しい内訳です。記事の取材や初対面のとき、仕事や本業を聞かれたとき、一発で答えられず困るのが地理人の収入源。実際はこんな具合に分散しています。
2012〜13年は勤め労働が8割、自営業が2割の試行段階なので全体の額が小さめです。基本的にはDTPデザイン、1冊の本(みんなの空想地図)、1回大きな空想地図製作案件が来たという内訳でしたが、徐々にデザインから手を引き、プロジェクトメンバー関与(≒企業案件)やワークショップに注力していきます。この方向で行くか…と思いきや、そうはいかず、2019年以降に増えるのは、展示、グッズ、著述でした。来年にも美術館での展示が1件、新刊も2〜4冊、出るはずなので、この傾向は強まる見込みです。
企業案件は作家、著述の価値を上げてからついてくるのではないか。
そのためには、食うことを考えず作家としてのアウトプット、というよりトライアンドエラーを増やすことが先決だと思うに至りました。(つづく)
弊サイト大破壊トラブル
例年は「地理人ノート」なるブログサイトでやるのですが、サイトは見られるのですが、アレッ?編集画面に入れない…
大量にできた不審なファイルを消すと、再びすぐに新しく不審なファイルができる、なかなか悪質な攻撃で。Wordpressの脆弱性を突いた攻撃のようでした。
こんなの初めて!と思いきや、実は2015年9月にも似たようなことがあったのです。
そのときは借りているサーバーを引っ越して、Wordpressを常に最新版にする等、くらいにしたのですが、
それくらいじゃダメだぜ、ということですね;;;;(このときより状態は深刻です)
今回はWordpressにすらログインできず、自力で対応できないので、約8万円をはたいて対応してもらうことに。
年始に復旧するといいんですが、しばらくは片付かない事故現場…になっております。汗
その件の解決はおいおい。
コロナ影響について
今年の話題といえば、コロナですよね…。
気軽に出かけられない、人と会えない、とりわけ遠くに行けない…いいことないのが正直なところです。
とりわけ、私はネットを通じたコミュニケーションが苦手です。リアルよりネットで饒舌になる人が集う空気感が苦手で、ネットコミュニティ・コミュニケーションをこれまで避けがちだったのですが、オンライン時代になり、積極的になるか…と少し意気込むも、不発に終わりました。特にTwitterが苦手ですが、Twitterにいる人々に心を閉ざしているわけではないので、臆せずコミュニケーションできる方法があるといいなとは思うのですが〜;;;;;
追ってまた、コロナ影響で大きな変化をもたらした、歩数や交通費…という誰からの需要もなさそうな情報を、大晦日あたりにお届けします。
コロナ影響で話題になりそうなのがお仕事です。確かに多少の影響はありましたが、お仕事は2018年が今年より壊滅的に酷かったので、そのときよりはまだマシで、普通に生きております。イベント・メディア関連の推移を見てみましょう。
こうして見ると、公開イベント(一般参加可能なイベント)は2019年→2020年で3分の1くらいになっています。その他も昨年に比べると漸減、という感じもしますが、しかし2018年以前の水準に戻った、とも言えます。(ちなみにこの数と仕事、収入は比例しません。これらは合わせて全収入の5〜10%程度です。)
それでは、実際の仕事の変化はどうだったのでしょうか。
コロナとは関係なく、私は仕事の大きな変わり目に来ている、と感じています。(つづく)