Chiakiの徒然日記

「なぜ君は絶望と闘えたのか」

山口県光市の母子殺人事件の被害者遺族・本村洋さんに密着した9年にわたる物語。

心に響いた一節の要約がこれ。
「人は誰だって、不幸の1つや2つ持っている。だけど、犯罪だけは犯さないように頑張っている。
生い立ちの不幸を犯罪の情状酌量に加えるのはおかしい。」

本村さんも、1度発症したら2ヶ月ぐらい入院しなければならないような持病を抱えているし、
殺された奥さんだって母子家庭で決して裕福とは言えない家庭に育った。
だけど犯罪を犯すことはなかった。
少年の生い立ちは同情の余地があるけど、それをあの悲惨な事件の免罪符にするのにはちょっと疑問がある。
もし生い立ちの不幸が免罪符になるのなら、あらゆる犯罪が情状酌量されてしまう。

死刑についての賛否は分かれるところだけど、死刑存続と廃止とどちらがいいのか、私には分からない。
ただ、死刑を適用しないとしても、あれだけ残虐なことをしておいて、犯行当時少年だったというだけで、
ほんの数年で社会復帰できるという制度には疑問を感じる。

この本を読んでいて、つくづく感じたのが、現在の少年法がそろそろ限界に達しているのではないかということ。
そもそも、少年法を作ったときに、こんな残虐事件を引き起こすような少年が現れると想定していたのか?
飲酒運転による死亡事故もそうだけど、制定当時の想定をはるかに超える事件が多いのではないか?
そんな気がしてきた。

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