Chiakiの徒然日記

一種のけじめ

友人のブログを読んでいて思い出したこと。

大学4年のとき、結構気が合った男性のゼミ仲間。
男性としてではなく、人として、友人として尊敬している人だった。
就職活動でゼミを休むこともあったけど、その代わりに頻繁にゼミ室に出入りし、
個別指導を受けるなど、教授からの評判は3人いた男性の中ではトップだった。
当時は就職氷河期。
1年必死に就職活動をしても、なかなか内定が出ない。
彼もそんな1人だった。
デリケートな問題なだけに、本人から話さない限り「どうだった?」なんて聞けるはずもなく。

8人いたゼミ生のうち、進学の私を除く7人のうち、就職が決まったのは約半数。
アルバイトをしながら就職活動を継続するという人が多かった。

そして迎えた卒業式。
件の男性の姿がない。
式自体はともかく、卒業証書授与が行われるゼミ室にも姿を現さない。
「○○くん、どうしたんだろ?」
女性陣で首を傾げていたら、別の男性ゼミ生が教えてくれた。

「バイト先で、今日出勤したら、正社員になれるって言われたから、欠席だって。」

はぁ!?何それ!?
口々に女性陣の口から洩れる言葉。
「正社員」の文字をちらつかせて卒業式の日の人員を確保する…。
なんて卑怯な。教授も苦々しい顔つきだった。
本人の将来がかかっている以上、「休んででも来い」とは言えない。
逆にバイト先が「大事な日なんだから行ってこい」と送り出すべきでは…?

プロ野球のルーキー選手たちだって、高校や大学の卒業式には、キャンプを抜け出して出席するのに。
件の男性は後日、卒業証書を貰いに来たけど、卒業式って一種のけじめだと思うんだよね。

ただ1つ心残り。
彼にきちんとお別れの挨拶がしたかった。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「遠い日への回想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事