風のたより #92 千葉甫 2019-09-30 14:53:27 | 短歌 吹きつける雨滴の流れている窓に視線をやって思考段落 行きずりに今朝も見る人 変わらずにスマートホンに眼を据えている そのことを本音で言えれば断りのたやすく叶うと思うのだけれど
風のたより #91 千葉甫 2019-09-28 15:09:51 | 短歌 雨晴れて横断歩道渡るときつくつくぼうしの声聞き止める 真夜中の階段上って見下ろして消し忘れた灯の侘しさを見る 早すぎる目覚めとなった夜明け前 一つの所をつつく雨だれ
風のたより #90 千葉甫 2019-09-26 14:31:19 | 短歌 一晩であっさり今日は秋めいてつくつくぼうしの歯切れよい声 見返してくるのは私の今日の顔 画像の消えたタブレットから 自らの返事の声に眼が覚めて白み始めている今日を見る
風のたより #89 千葉甫 2019-09-24 14:35:57 | 短歌 こちらへは寄って来るなと台風のコースたびたび確かめて見る アイドリングしている音と聞いていた窓の外には降り出した雨 白昼のパトロールカー 呟きのような一言残して過ぎる
風のたより #88 千葉甫 2019-09-22 14:52:38 | 短歌 タイプしてまた削除してタイプして本音とずれたメールを送る 二、三年前までここから読むことの出来た眼科の電柱広告 降ってきて激しさを増す雨音の響きの中に思い紛れる