風のたより #31 千葉甫 2019-05-31 13:14:24 | 短歌 思いでの消失通り 家々も住む人達も様変わりして 一週間前にも眼にしたあの車ほぼ同時刻にわが前よぎる 仏教徒と称してエホバの証人の笑顔へ笑顔でお断りする
風のたより #30 千葉甫 2019-05-29 14:28:26 | 短歌 ウィンドウの奥まで伸びて陽の光りカフェの無人のテーブルに差す 滴った一つの水が眼のように光って私を見上げる深夜 生きている者より逝った者たちと会うのが多いこの頃の夢
風のたより #29 千葉甫 2019-05-27 14:27:38 | 短歌 暗がりに佇む人は泣いていたようにも見える過ぎつつ思う 解答のクリックをする指先がついてゆけずにまたも遅れる 風が来て煌めき見える窓の外 一筋張っている蜘蛛の糸
風のたより #28 千葉甫 2019-05-25 14:25:49 | 短歌 たまたまに見上げた空を鴉二羽シンクロナイズで向き変えて行く 動くとも見えずに浮いている雲のかたち変わって流れた時間 眼を閉じてこの夜も聴くイヤホンの私へ歌っているような声
風のたより #27 千葉甫 2019-05-23 14:28:19 | 短歌 平成に眠って令和に眼が覚めて明るんでくる空を見つめる 昭和から馴染みの野菜売りの声 令和の今日も近づいて来る 迷いつつ見る陳列の弁当を選ぶ決め手は価格が示す