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Dear Mom...

2010-08-12 | et cetera
Happy Birthday Mommy

星になってなかったら、70歳一歩手前だね


2004.8.30....

あれからもう6年ですかぁ~


6年前の夏、その日ワタシは日勤でした。

ずっと高熱が下がらない母を心配しつつ、今にも

崩れそうな気持ちを必死で支えながら働いていたような気がします。



母が倒れたのは、1998.5.17...

夜勤明け、寝ようとベッドに入ったばかりの時に電話が鳴りました。

「きっと、勧誘かな?」と出ないでいると、留守番電話にメッセージ

母の仕事先からで、

「お母さんが倒れて、救急車で病院に運ばれました。メッセージを聞いたら、折り返し電話をください。」と。。。

すぐ電話をすると、●●病院に運ばれましたとのこと。

 
4年前に父が亡くなったあと、多い時は日に3つの仕事を掛け持つこともありました。

ようやく1つの職場で正社員として落ち着き、1年が経とうとしていた頃だったので、

疲れがたまったのかなぁ~と、倒れた理由も経過も聞いていなかったワタシは漠然と感じながら、搬送先の病院へ向かいました。

途中、心のどこかで、きっと大したことはないんだ!

疲労を吹き飛ばすために、帰りは二人で美味しいものでも食べて帰ろう!

なんてことを考えていた。


病院に着いてすぐ救急センターに行くと、いくつかのベッドがあり、

そのひとつに母が寝ていました。すでに点滴をしてもらっていて、眠っているようでした。

そして、すぐに医師からの話がありました。

頭部CTを見ながら、

医師=「クモ膜下出血です。これから破裂箇所を調べて手術をします。

おそらく初回の出血ですし、再出血がなくて経過が良好ならば最短3週間くらいの入院となります。」

記憶は薄いけど、最初の説明では、「治る」ということ前提でのお話でした。


検査中に兄が来ました。そして、

検査が終わり、病室に運ばれ、担当看護師さんからの入院に関する説明と

緊急連絡先・母の既往歴や家族構成などの情報提供などをしているうちに、

手術室に行く準備が整い、病室を出た瞬間...突然

看護師=「アンビュー持ってきてぇーー」「呼吸停止よーっ」

そんな状況のまま手術室に運ばれ、よくわからないままワタシたちも手術室に向かいました。

その時、兄がポツリ...「覚悟しとけよ・・・」

手術の途中、親戚も駆けつけてくれて、

とてもとても長い時間をともにすごしました。

途中、Ope室に何度も血液が運ばれたり…

看護師さんが慌ただしく出入りしたり…

どれだけの時間、待っていたのでしょう

 
手術が終わったのは、真夜中の2時すぎ...だったでしょうか

その後しばらく待って、ICUに運ばれた母の面会が許されました。

母の体には、酸素や点滴・モニター・レスピレーター(人工呼吸器)が付けられていました。

そのあと、小さな部屋に呼ばれ医師からの説明がありました。

・手術直前に再破裂し、一度は心肺停止状態になったこと

・脳内の腫れがひどく、治まるのを待ってから手術を開始したこと

・破裂箇所のクリッピング術は成功したけれど、まだ安心はできない状態であるということ

そして、

・このまま意識が戻らない可能性もあるということ・・・

他にも細かく丁寧に話してもらったと思いますが、あまり覚えていません。

とにかく、1ー2日がヤマだと言われました。


説明が終わり、家族の待機部屋に案内してもらい、ワタシと兄と親戚のおばさんと3人で朝まで過ごすことになりました。

ワタシは1人になりたくて、車に取りにいきたいものがあると言って車に戻りました。

車内に1人きりになった途端、今まで抑えてきた感情があふれ出して止めることができませんでした。


こんなことになるなんて・・・

母は、痛みにどれくらい苦しんだんだろう・・・

どんな思いで痛みに耐えていたんだろう・・・

この先、母はどうなるんだろう・・・


ひとしきり泣いたあと兄たちがいる部屋に戻り、寝ころんで静かに目を閉じていました。

朝早く、兄が朝食を買ってきてくれて、3人で食べた記憶があります。


当時、高看学生だったワタシは朝を待って学校と職場に連絡をしました。

学校は単位の関係で4日間。

仕事は1週間の休暇をもらいました。

毎日、毎日、毎日、病院に行きました。

たくさんの方がお見舞いに来てくれました。

意識のない母の姿を見て、「必ず、意識は戻るからね...」

「何年も意識のない人が突然目を覚ましたって聞くわよ」

なんて慰めてくれました。

しかし、多少なりとも医学的知識があるワタシには

かえって辛い気休めの言葉にすぎなかったのです。

それでも心のどこかでは、いつか意識が戻るんじゃないか...

奇跡がおきるんじゃないかって...祈りながら...



母が搬送された病院の脳神経外科は、主治医制をとっておらず、

5人の医師が入院患者すべてを診ていました。

医師それぞれに病状説明が全く違うので、日々一喜一憂の連続です。

「もう意識は戻りませんよ」と急性期と言われる2週間をすぎていないのに、断言する医師。
 
「僕はまだあきらめていませんよ。急性期を過ぎても意識を戻す人を何人か見てきましたから…」と3週間経過しても言ってくれる医師。

前者はまだ若い医師で、その後の説明もただ淡々と厳しいことを言うだけで、

まるで、責任転換にもとれるような説明。

その間、悲しいやら悔しいやらで、ずっと涙が止まりませんでした

看護師に、その医師からの説明は2度と聞きたくないと告げたほどです

後者の医師は、40代後半で優しい口調で内容もわかりやすいように砕いて説明をしてくれました。

説明の上手さと医師としての能力が比例するとは限りませんが、

やはり患者の家族にとっては後者の医師のほうが安心できますよね


 
その頃、ワタシは仕事と学生を掛け持ちしていたので、

朝は7時~仕事、昼から学校、夜はまた仕事...という生活スタイル。

そして土日は夜勤だったので24時間完全休日ってのはほとんどありませんでした。

しかしどうしても母の顔は見に行きたかったので日曜日の夜勤明けに病院へ直行し、

母の横でうたたねして帰ったり、平日は夜の仕事が終わってから病院へダッシュ

午前中、看護師が検温やケアに回る時間帯に患者の横で爆睡してるし、

消灯後に面会に来るし、看護師にとっては目障りな家族だったのかも・・・

 
とにかくあまりにもハードな生活だったので、あれこれと考えてる余裕もなく、

とにかく必死でした...


結局、母の意識は戻らないまま、1年が過ぎました。

急性期の病院から療養型の病院(ワタシの職場)への転院も決まりました。


最初に運ばれた病院の看護師さんたちにも大変お世話になりました。

特に、母の受け持ちだった看護師さんは人柄がいいというか、

母にできた褥瘡(床ずれ)の処置中にワタシが面会に行っても、

「一緒に傷を看ますか 」と言ってくれたり、

年末年始に外泊させる時も、「本当にうれしいです。」と手紙をくれたり、

なかなかできないことですよ

そこの師長さんも頼りがいのある方でした。

寝たきり状態の母を、年越しだけでも家に連れて帰りたいと頼んだとき、

師長さんは、「大事なお母さんだけど、家で自分が看ようとか思わないで。

大家族で協力体制が整っていればいいけれど、1人で看ようなんて...

今は大事なお母さんでも、いつか憎んでしまう時が来るわ。

病院や施設に甘えなさい。そうすればいつまでもお母さんを大事にできるから...」

当時、叶うものなら他人の手を借りずにワタシが看たい。

母を家に連れて帰りたいと思っていたワタシにくれた師長さんの温かい言葉...

今でも覚えています。


そして、転院先であるワタシの職場の人達にも長い間、本当にお世話になりました。

お正月はわがままを言って、母を自宅に連れて帰ったり...


外泊させた時、お酒が好きだった母を特殊な器具を使って座らせて、

お酒を口に近付けると口をとがらせて飲もうとするんですよ。

実際にはなめるくらいの量ですけどね...うれしかったぁ~

そんな正月を何度か過ごすこともできました。


年齢も50代だったので、そんな落ち着いた状態がまだしばらく続くと思っていました。

でも...

状態が悪化してから、たった1月半で母は力尽きました。

力尽きたというか、やっと楽になれたんだと言うべきなのかな

それに、母の遺影はいつも家にいるので病院にいた時より近くにいるような気もしています。
  

母は料理が得意で、ワタシの同級生や職場の人達を呼んで食べさせることが好きな人でしたから、みんな母のことを知っていました。

ある日なんて、ワタシが遊んで帰ると、家では同級生達が食事していてびっくりしたこともあります。

まるで、「東京タワー」 に出てくる おかん のような人でした。

まぁ~気が強くて、すぐ感情的になるところは似ていませんが、無償にわが子を思う姿はそっくり・・・

母を知る友人は、母のレシピを覚えていて、ワタシにも時々作ってくれます(笑)


それに、親子をテーマにしたドラマやCMには今でも弱いんです~

特に、少し前の「ほ●だし」のCMなんて我が家の朝の風景そのまま


でも ワタシ...

‘ 親子 ’とか‘ 家族 ’というものに縁が薄いらしいです...

というか、一生分の愛情を短期間でもらっちゃったのかな
 
 

 


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