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カクテルの勧め

コロナ過により飲食店でのお酒を躊躇されたり、自粛されているむきも多いと思います。いわゆる家呑みも少しマンネリ化していらっしゃるかと。

少しこれまでのブログとは趣旨が異なりますが、今回は簡単なカクテルについて。食前やお休み前にちょっと試してみてくださいませ。

カクテルといえば、バーでふんだんな氷や洋酒、リキュールを使いシェーカーで振られて、お洒落なグラスでと、多少敷居が高いイメージですが、ベースと呼ばれる蒸留酒(スピリッツ)と冷蔵庫のジュースがあればそれなりに美味しいものが、ご自宅でも飲むことができるのです。

さて、ベースとなるスピリッツをまず紹介致します。写真にあるのは我が家に常備のもので、高級なコニャックと呼ばれるブランディや、ウイスキーに較べると意外に安価なものです。

左からラム(キャプテン・モルガンスパイシーラム)、ウォッカ(スミノフ赤ラベル)、ウォッカ(タンカレー)、テキーラ(サウザブルー)そしてジン(ボンベイサファイア)。

 

ラムはサトウキビのしぼり汁を発行させて蒸留したお酒です。帆船時代の英国海軍や海賊の水兵さんに戦闘の前後など何かの折に支給されました。実はこれらのスピリッツの中で、長期間熟成させたものがあるのがこのラム酒です。30年の熟成といった名品もありますが、3~8年程度の熟成で十分に美味しい、甘い香りと口当たりが特徴です。

 

ウォッカはロシアや北欧のポピュラーな蒸留酒で、癖のないゆえにカクテルには多用されます。スミノフ赤は最も売れている銘柄で、かの007ジェームスボンドの第1作「ドクター・ノー」でもそのまま登場します。

隣のタンカレーのウォッカは、ジンで有名なタンカレー社のもので、昔私の行きつけの大阪のバーでオーナーバーテンダーが一押しで進めてくれたもので、そのまま飲んでも十分美味しい銘柄です。

 

テキーラはメキシコのテキーラ地方原産の、ブルーアガベと呼ばれるリュウゼツランが原料のスピリッツです。コニャックとか灘の生一本同様に、このテキーラ地方でのみ作られ、アガベの原酒が50%以上という、それなりに厳格な決まりのあるお酒です。写真はサウザ社の100%アガベが原酒のサウザブルー。原酒が50%以上ということは、醸造用アルコールなどが入れられても良いということですが、100%アガベのものを是非お勧め致します。それほど高くないのですが、同社のシルバーとの価格差は数百円で、雑味の無い本当に美味しいテキーラです。

 

最期のジン。特徴のある松脂に似た香りはジュニパーベリー(西洋ネズの実)主体のボタニカルと呼ばれる、植物由来の香りづけによって生まれます。原料は大麦、ライムギ、ジャガイモなどの穀物を発酵させ蒸留したものです。この4種類を4大スピリッツと呼びます。

 

さて、そのほかにもビール、ワイン、スパークリングワインなどがカクテルのベースとして使用されますが、取り合えずこれらのベースを何で割るか、冷蔵庫の中を探してみましょう。

 

まずオレンジジュース。ご自身で絞ったフレッシュジュースを使えば、とても美味しいのですが、特売の紙パックの100%オレンジジュースがお勧め。

ラムとオレンジジュースでできるのが「キューバン・スクリュー」、割合はお好みですが、取り合えずラム1:オレンジジュース2くらいでお試しください。氷の上にラムを注ぎ、しっかりとステア(マドラーやバースプーンで優しくしっかりと冷やす)して氷が半分程度になったら、冷たいオレンジジュースを注ぎ、軽く二混ぜ。で、できあがり。

 

次にウオッカ。これもお好みの割合で、作り方は上記と一緒。「スクリュードライバー」つまりねじ回しというカクテルになります。最初にこのカクテルを作った時に、ねじ回しでステアしたことからのネーミングとされます。昔は、「女殺し」と揶揄されたように、ウォッカは無味無臭でアルコール感が乏しく、強いカクテルだったようです。これも1:2程度くらいからでお試しください。

 

テキーラをベースにした場合はグレナデンシロップ(ざくろの赤いシロップ)をティースプーンに2杯くらいを、上記のようにステアした後にゆっくりとそこに沈めると、ローリングストーンズのミック・ジャガーが愛した「テキーラ・サンライズ」となります。シロップが無くても美味しいのですが、見た目の朝日の色感はなくなりますね・・・。

 

ジンをベースにしたら「オレンジ・ブロッサム」。作り方は基本的に皆同じです。お洒落にオレンジの輪切りや櫛切りを添えると、また風情も増します。

最期にとっておき。食事に飲んだスパークリングワインが余ったら、是非試して戴きたいのですが、よく冷えたシャンパン等のスパークリングワインに同量のオレンジジュースを加えて、軽くひと混ぜすると、「ミモザ」というカクテルになります。世界一美味しいオレンジジュースともいわれる鮮やかなミモザ色のカクテルです。

白ワインがベースだと、「ワインクーラー」と呼ばれるカクテルになります。

 

次がグレープフルーツジュース。ピンクかホワイトかはお好み次第。これも自分で絞ったグレープフルーツジュースだと、苦みが殆どない美味しいカクテルに仕上がります。

まずはウオッカ。グラスの周りをレモンかライム、なければ氷で濡らし、手のひらに盛った塩(岩塩にこだわる必要はないのですが、ドライな塩がお勧め)を塗ります。そしてウォッカと氷を入れて冷やしたら、グレープフルーツジュースをこれも1:2くらいに注ぎ、軽くステアします。

グラスの周りに氷をつけるのをスノースタイルといいます。この塩をつけない場合は「ブルドッグ」と呼ばれるカクテルになります。

 

ジンをベースにしても「ソルティドッグ」というようですが、元々は英国海軍でジンを使ったカクテルがこの名前で呼ばれたようです。

ラムを使った場合、これは私のオリジナルなのですが、塩を使わずにブルドッグスタイルで。ラムは少しだけスパイシーなものがお勧め。そしてこれはなぜかシェーカーを使って、シェイクしたほうが格段に美味しいのです。

ラム45ml、グレープフルーツジュース45mlを氷を入れたグラスに注ぎステアした後に、トニックウォーターを注ぐと「ソル・クバーノ」(キューバの太陽の意味)という、日本の神戸「サヴォイ北野坂」の木村義久さんというバーテンダーが考案したカクテルになります。

 

テキーラを使った場合は上記の「ソル・クバーノ」に似た作りですが、テキーラ、グレープフルーツジュース各30mlを氷でステアして、炭酸で満たすと「パローマ」というカクテルになります。これも100%アガベのテキーラが向いています。

 

既に少し出てきましたが、「トニックウォーター」で割るカクテル。私の好みはシュウェップスのトニックウォーター。1本100円くらいで酒屋で売っています。あとはスーパーでライムを(1個160円程度です)。

作り方はグラスに氷を入れて、スピリッツを入れよくステアして冷やす。ライムをくし形に切ってその上に絞り、更に軽くステアして、トニックウォーターを注ぐという単純なもの。

ジンならジントニック、テキーラならテキーラトニック、ラムトニックという具合ですが、ラムは元々が少し甘めになりますので、トニックウォーターと炭酸を半々にすると、ラムソニックという少し切れのあるカクテルとなります。これは全てに応用できます。

ウォッカトニックの場合は、ライムを少し多めにするとドライな感じに仕上がります。

 

最期にコーラ。これはレモンを少し絞るととても口当たりが良くなります。ジンコーク、ラムコーク、テキーラコーク。そして赤ワインだとレモンを少し多めにしてスペイン生まれの「カリモッチョ」というカクテルの出来上がりです。

ウォッカでも同じですがこの場合は「ルシアンコーク」と呼ばれるカクテルになります。

勿論ペプシコーラでも同様に作ることはできますので、お試しください。

 

お家でカクテル。たまには気分も変わって良いものです。

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