<米アカデミー賞>「おくりびと」「つみきのいえ」同時受賞 日本作品のアカデミー賞受賞は02年度(75回)に「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督)が長編アニメーション賞を受賞して以来、6年ぶりとなる。 「おくりびと」は、チェロ奏者から納棺師に転職した主人公が死者を装う仕事の中で家族のきずなを再確認していく物語。毎日映画コンクール日本映画大賞やモントリオール世界映画祭グランプリを受賞するなど、国内外で高い評価を受けてきた。 外国語映画賞のプレゼンターが「Departures」と「おくりびと」の英語タイトルを告げたのを受け、壇に 上がった滝田監督は「これが私にとって新しい旅立ちになる」と語った。 外国語映画賞が名誉賞の一部だった時代、日本映画は「羅生門」(51年度、黒澤明監督)、「地獄門」(54年度、衣笠貞之助監督)、「宮本武蔵」(55年度、稲垣浩監督)の3作品が同賞を獲得。だが、その後は 03年度まで11回ノミネートされながら、いずれも受賞を逃していた。 「つみきのいえ」は水没していく家に住む1人暮らしの老人を描いた約12分のアニメーション。フランスの アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリなどを受賞していた。 |
つみきのいえ概要
水に囲まれつみきを積んだような部屋でひとりの老人が暮らしている。
水没している階下にパイプを落とした彼は、それを拾うためにもぐり、
それぞれの部屋に刻まれた家族の思い出にめぐりあう。いまはいない
妻、娘、なつかしい人々の大切な記憶が静かなタッチで描かれ、純度の
高い心にしみる作品となった。地球温暖化のテーマも秘められている。
絵本つみきのいえ