□本日落語一席。
◆春風亭一之輔「抜け雀」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和5(2023)年10月25日(第664回「TBS落語研究会」)。
なかなか斬新な「抜け雀」だった。わりと変更点があったので、人によっては賛否両論だろうか。いや、そうでもないか。いずれにしても、本質はかわっていないので、自分は、これ、好きである。あとはこの型を誰かが継承するか否か。もし誰もひき受けなかったら、一之輔一人のものになってしまう。それは、ちょっともったいないか。どうだろう。もしこの型が誰も演らなかったとしても、従来型の「抜け雀」は今後も延々と続いていくのだろうとは思うが。
こまかいクスグリの類は、今はふれずにおくとしたら、いちばんの違いは、雀の数を二羽としたところと、落げに直結する件(くだり)だろう。
通常、「抜け雀」では、絵師が描く雀の数は五羽。これは、宿賃の払いが5両であったところから、一羽1両で五羽としたものである。
で、今回、一之輔は支払代金を2両とした。この額にリアリティがあるという判断だろうか。
もう一つは、若い絵師の父が止まり木を描いて去ると、そのあとに雀が卵を生むという件(くだり)が出てくる。名人の描いた絵からは卵も生れるのだ。
そして、若い絵師が宿屋に戻ってきて父の来訪を知る宿屋の主はいったん実家に帰ることを勧めるが、若い絵師が拒む。すると、絵のなかの雀の卵がかえって雛が生れると、「あなたよりさきに卵が孵った」で落げである。なかなかおもしろい。
◆春風亭一之輔「抜け雀」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和5(2023)年10月25日(第664回「TBS落語研究会」)。
なかなか斬新な「抜け雀」だった。わりと変更点があったので、人によっては賛否両論だろうか。いや、そうでもないか。いずれにしても、本質はかわっていないので、自分は、これ、好きである。あとはこの型を誰かが継承するか否か。もし誰もひき受けなかったら、一之輔一人のものになってしまう。それは、ちょっともったいないか。どうだろう。もしこの型が誰も演らなかったとしても、従来型の「抜け雀」は今後も延々と続いていくのだろうとは思うが。
こまかいクスグリの類は、今はふれずにおくとしたら、いちばんの違いは、雀の数を二羽としたところと、落げに直結する件(くだり)だろう。
通常、「抜け雀」では、絵師が描く雀の数は五羽。これは、宿賃の払いが5両であったところから、一羽1両で五羽としたものである。
で、今回、一之輔は支払代金を2両とした。この額にリアリティがあるという判断だろうか。
もう一つは、若い絵師の父が止まり木を描いて去ると、そのあとに雀が卵を生むという件(くだり)が出てくる。名人の描いた絵からは卵も生れるのだ。
そして、若い絵師が宿屋に戻ってきて父の来訪を知る宿屋の主はいったん実家に帰ることを勧めるが、若い絵師が拒む。すると、絵のなかの雀の卵がかえって雛が生れると、「あなたよりさきに卵が孵った」で落げである。なかなかおもしろい。