竹林亭白房

かい枝「三十石」★落語

□本日落語三席。
◆桂かい枝「三十石」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2023其の弐)。
FFGホール、令和5(2023)年11月4日(第17回「博多天神落語まつり」※私、あの師匠に育てられました)。
手拭を使って、淀川を下って行く三十石舟を人形芝居のように描写するというのは、どの落語家も演る演出ではないと思うが、師匠の五代目桂文枝が演っていたのだったかどうだか。
いずれにしても、情趣あるおもしろい演出だ。それをこの落語会の客も感じとったのだろう、そこで拍手が起った。

ただ、かい枝はその所作とともに「三十石、夢の通い路……」と言って一席を終えるつもりだったのである。
だから、客たちの拍手は落語が終ることを知ったフライングの拍手のようにも聞えてしまった。かい枝は、「その拍手は早く終れということでしょうか」と言って、ちょっとギャグのようにも皮肉のようにも取られかねないことになったのは残念。後味の悪い終りかたになってしまった。

自分はかねがねなんでもかんでも拍手すればよいというのには疑問を抱いている者である。浪曲のように「ここ」というポイントが定型化している場合は、演者と客席が一体化して盛りあがりの効果を生むが、落語にはそういう定型など基本的にはない。だから、むやみやたらと拍手などしないほうがよいのである。

もちろん、ここが落げだと知っているぞというフライングの拍手も言わずもがなの禁じ手である。

◆三遊亭遊雀「替り目」(サンテレビ『初春お茶の間寄席』)。
チバテレビスタジオ、令和6(2024)年1月1日OA※チバテレビ制作(2023年11月10日収録)。

◆『笑点』東西対抗大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治/笑福亭鶴光・笑福亭鉄瓶・桂雀々・桂三枝(六代文枝)・月亭八方・月亭方正(日テレ『笑点』第2892回)。
日テレ麹町スタジオ、令和6(2024)年1月7日OA。
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