竹林亭白房

鯉昇「味噌蔵」@博多天神落語まつり2020★落語

□本日落語二席。
◆瀧川鯉昇「味噌蔵」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2020其の参)。
FFGホール、令和2(2020)年11月1日(第14回「博多天神落語まつり」※鯉昇さんを囲んで。)。
鯉昇の「味噌蔵」は何度か聞いている。今回、二点ほど、おや?と思うところがあった。
一点は、味噌屋の旦那が女房をもらうところ。親戚一同が女房を取れというのに対して拒む旦那。すると、親戚一同は、それじゃあ、今後は親戚づきあいをやめると言う。通常の型は、ここで困惑した旦那がそれじゃあしかたがないと折れて、親戚の紹介する女房をもらうことになる。

ところが、鯉昇の演る旦那は、(親戚づきあいなどしなくても)「ええ、けっこうですよ」と受けた。しかし、一同が、親戚づきあいだけでなく、味噌の取引も今後はいっさいやめると言ったところで、旦那は縁談を承諾するのである。さて、鯉昇は以前からこういう演りかただったろうか。また、旦那がいったん縁談をことわるという、このワンクッションのおきかたは、とくに何か意味があるのだろうかとちょっと考えてしまった。

また、もう一点。旦那は、子ができると金がかかるからという理由で、女房と共寝をすることを拒んでいたが、ある寒い夜に同衾したことを契機にして子ができる。
ふつう、女房が、子ができたと旦那に告げるところは、はじめ直截に言わず、「酸っぱいものがほしくなった」だの、「見るものを見なくなった」だのと言って、それとなくわからせようとする。

したところ、鯉昇の演る女房は、はじめから「できてしまった」と言ってストレートに入った。これは、鯉昇の「味噌蔵」を以前聞いたときは、そうでなく通常の型だったはず。今回そうしなかったのは、時間の関係だろうか。それにしては、女房をもらうプロットは、ちょっとのことだが、ワンクッション分ひき伸ばしたかたちである。

鯉昇の「味噌蔵」は日々アップデートしているのだろうか。次聞くときは注意しておきたいものである。

◆桂歌春「時そば」(サンテレビ『初春お茶の間寄席』)。
チバテレビスタジオ、令和3(2021)年1月1日OA※チバテレビ制作。
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