貧乏生活になってから、ちょっとしたところくらいは徒歩で移動することが日課になった。その範囲もしだいに広がっていって、地下鉄の二駅か三駅分くらいはふつうに歩く。
自分の住んでいるところから、繁華な阿倍野・天王寺界隈までも、小一時間くらいかけて歩くのだが、いつも同じ経路ばかりだとつまらないから、いろいろ道順をかえたりして、まわりの風景なども眺めながら歩く。
したところ、先日阿倍野筋を北上して歩いていたところ、「梶井基次郎居宅跡」という標識が立っているのに気づいた。説明書きを読むと、そこが梶井基次郎の終焉の居宅であるらしく、その標識から東へ数メートルさきがそうだったと書いてあった。
暇にまかせてそちらへ少し歩いてみたが、もう建物そのものには居宅あとの標がなく、どれが梶井の家だったかはわからなかった。
さっそく帰ってきて、Wikipediaで調べてみると、梶井の実家は大阪市住吉区であったらしく、晩年に病の身からもとめた住まいが、実家近くの住吉区王子町2丁目13番地だっとある。そして、この地名は現在阿倍野区王子町2丁目17番29号ということもわかった。
ほほう、ここは昔阿倍野区じゃなく住吉区だったのかということもわかりおもしろい。そして、ネット検索して現在この住所には<すし豊>という寿司屋であるとわかった。この店自体もう五十年からになる店らしいが、さすがに建物は梶井の住んでいたままではあるまい。
ただ、さらに驚いたのは、この寿司屋のすぐ隣すなわち住所で言うと、一号違いの阿倍野区王子町2丁目17番28号が、かつて自分が足繁く通った焼鳥屋<讃眞>だったことだ。この店のすぐ隣が梶井基次郎宅だったとは知らなかった。今は<讃眞>も店主が病気療養中らしい。
阿倍野おそるべし。てくてく歩いてきょろきょろしているだけで、いろいろな未知の歴史にふれることができるわけだ。ちなみに、この近くには兼好法師の別荘もあったらしいと何かの本で見たが、それがどこかちゃんとさがしたことはない。また、近くまで行けば標識でもあるだろうか。また、天王寺まで歩くときにうろうろしてみよう。
□本日落語二席。
◆桂米二「厄払い」(MBSテレビ『らくごのお時間』第167回)。
大阪梅田茶屋町MBS1階ちゃやまちプラザ(MBSちゃぷらステージ)、令和6(2024)年10月24日収録※令和7(2025)年2月9日OA。
◆笑福亭生寿「蛸芝居」(ラジオ関西『内海英華のラジ関寄席』)。
神戸新開地喜楽館、令和6(2024)年12月14日収録(昼席公演※マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2024」決勝ウィーク)※令和7(2025)年2月2日OA。
自分の住んでいるところから、繁華な阿倍野・天王寺界隈までも、小一時間くらいかけて歩くのだが、いつも同じ経路ばかりだとつまらないから、いろいろ道順をかえたりして、まわりの風景なども眺めながら歩く。
したところ、先日阿倍野筋を北上して歩いていたところ、「梶井基次郎居宅跡」という標識が立っているのに気づいた。説明書きを読むと、そこが梶井基次郎の終焉の居宅であるらしく、その標識から東へ数メートルさきがそうだったと書いてあった。
暇にまかせてそちらへ少し歩いてみたが、もう建物そのものには居宅あとの標がなく、どれが梶井の家だったかはわからなかった。
さっそく帰ってきて、Wikipediaで調べてみると、梶井の実家は大阪市住吉区であったらしく、晩年に病の身からもとめた住まいが、実家近くの住吉区王子町2丁目13番地だっとある。そして、この地名は現在阿倍野区王子町2丁目17番29号ということもわかった。
ほほう、ここは昔阿倍野区じゃなく住吉区だったのかということもわかりおもしろい。そして、ネット検索して現在この住所には<すし豊>という寿司屋であるとわかった。この店自体もう五十年からになる店らしいが、さすがに建物は梶井の住んでいたままではあるまい。
ただ、さらに驚いたのは、この寿司屋のすぐ隣すなわち住所で言うと、一号違いの阿倍野区王子町2丁目17番28号が、かつて自分が足繁く通った焼鳥屋<讃眞>だったことだ。この店のすぐ隣が梶井基次郎宅だったとは知らなかった。今は<讃眞>も店主が病気療養中らしい。
阿倍野おそるべし。てくてく歩いてきょろきょろしているだけで、いろいろな未知の歴史にふれることができるわけだ。ちなみに、この近くには兼好法師の別荘もあったらしいと何かの本で見たが、それがどこかちゃんとさがしたことはない。また、近くまで行けば標識でもあるだろうか。また、天王寺まで歩くときにうろうろしてみよう。
□本日落語二席。
◆桂米二「厄払い」(MBSテレビ『らくごのお時間』第167回)。
大阪梅田茶屋町MBS1階ちゃやまちプラザ(MBSちゃぷらステージ)、令和6(2024)年10月24日収録※令和7(2025)年2月9日OA。
◆笑福亭生寿「蛸芝居」(ラジオ関西『内海英華のラジ関寄席』)。
神戸新開地喜楽館、令和6(2024)年12月14日収録(昼席公演※マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2024」決勝ウィーク)※令和7(2025)年2月2日OA。