竹林亭白房

瑞「ちりとてちん」★落語

□本日落語二席。
◆露の瑞「ちりとてちん」(寄席チャンネル『鮮 あざやか』)。
東京神保町らくごカフェ、令和5(2023)年5月14日(「初めての!!お江戸DEみずほ露の瑞勉強会」)。
些末なところだが、ちょっと通常聞くのと異なった型だった。まず、旦那のところへはじめに招かれてくる世辞の巧い男が大橋さん。この大橋さんという名は、ふつう上方落語では「ふぐ鍋」で訪ねてくる男の名に使われている。
これは、三代目林家染丸の本名が用いられたと言われ、はじめ林家一門内でのみ使われていたものが、他の一門の落語家にも広まったとされている。ただし、自分の記憶では、今日のように「ちりとてちん」でこの名を聞いたのはたぶん初めて。「ちりとてちん」ではふつうこの男の名は喜六(喜いさん)である。

そして、その後、ちりとてちんを食わされることになる知ったかぶりの男の名を、瑞は清八として演っていたが、これもふつは竹である。

また、世辞の巧い男に供される料理として、握り寿司がまず出てきた。これもふつう「ちりとてちん」では聞いたことがない。ふつうは、鯛の刺身、鰻の蒲焼である。また桂南光はこれに茶碗蒸しも加えている(弟子の南天も)。
瑞は、まぐろの寿司を出された大橋さんが、すし飯の上にのっているものを見てようかんというクスグリも入れていた。

さて、これらの独特な型は、瑞独自のものだろうか。それとも、露の都一門の型か、はたまた白露の一門の型か。なかなか興味深い。ちなみに、落げはふつうだったが、落げに至る件(くだり)にもちょっと他に聞かれないものがあった。いずれにしても、おもしろかった。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(BS日テレ『笑点』特大号第486回)。
後楽園ホール、収録情報等不明※2月20日OA。
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