竹林亭白房

文菊「鮑のし」★落語

□本日落語二席。
◆古今亭文菊「鮑のし」(NHKラジオ第一『真打ち競演』)。
福井県南越前文化会館、令和6(2024)年8月23日※南越前町合併20周年記念。
そういえば、「鮑のし」も落げまで聴くことがめったになくなった落語の一つか。落げに至る件(くだり)は、のしの書きかたをめぐって、甚兵衛と大家のやりとりがあるのだが、そこがちょっと理屈っぽくて敬遠されるのだろうか。

文菊は、のしについての甚兵衛と大家のやりとりに入って、書きかた云々にまでいく手前で、威勢よく大家にくってかかる甚兵衛が、「着物のけつをまくりたいところだが、(褌を締めてないという)事情があってまくれねえ」と言い、「冗談言っちゃいけねえ」とつっこんで終えた。

ふと思い出したのだが、最近東京の「寄合酒」を聴いて、最後に与太郎と差配役の男のやりとりがあって、落げまでいかず途中で切るときに、やはり「冗談言っちゃいけねえ」の台詞が出てきた。そのとき、「冗談言っちゃいけねえ」は、いったい誰が言ったものかと疑問に思ったけれど、これは地の言葉なのか。

上方落語だと、やはり「鮑のし」にしろ「寄合酒」にしろ、落げまで演らずに、途中で切るときに言うのが「わあわあ言っております、……の一席です」という定型の台詞。
その「わあわあ言っております」に、東京落語で相当するのが、「冗談言っちゃいけねえ」ということなんだなと得心した。
しかし、「わあわあ言っております」は、明らかに地の言葉だとわかるが、「冗談言っちゃいけねえ」は、あたかも登場人物の台詞のように聞えるのはちょっとやっかいだ。

◆『笑点』特大号おバカ大喜利:春風亭一之輔(司会)/古今亭雛菊・桂宮治・林家木久扇・二代目林家木久蔵・桂三度/※座布団運び:林家やま彦(BS日テレ『笑点』特大号第508回)。
深川江戸資料館小劇場、令和6(2024)年10月収録※11月5日OA。
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