2007年に製作放映されたという『輪違屋糸里』が、BSのTBSチャンネルでやっていたので録画しておいたものを視聴する。新選組ものは、昭和の映画・テレビドラマから、ほぼすべて見ているという自負があるので、これもいちおう見ておかねばという気持からの視聴である。なお、原作は未読。
所謂スピンアウトである。時代ものの作品というのは、本流部分はありとあらゆる作品で描かれ尽くされてしまい、創作者が考えるのは、その周辺人物にスポットを当てたスピンアウトということにならざるを得なくなる。
新選組の場合、メインの隊士でなく、あまり名の知られていない隊士を主役にして作られたもの(原作者も同じ『壬生義士伝』など)はあるが、隊士の女を主人公にしたというのはめずらしい。
それにしても、芹沢鴨が暗殺された夜に、同じ室内で芹沢一派の平間重助が、その女として和違屋という島原の店の女糸里と同衾していたというだけの情報をふくらませてここまでの物語に仕立てあげるのはすごいものである。韓国ドラマ『チャングムの誓い』と通じるものがある。
また、今のところ、前編のみの視聴だが、これは、糸里がいたという芹沢一派暗殺劇のところがクライマックスであり、新選組もの作品のなかでは、ここで終ってしまうというのも特異である。池田屋も鳥羽伏見も五稜郭もない、ということになる。とりあえず、後編を楽しみにしよう。
□本日落語二席。
◆三遊亭小遊三「魚根問」(NHK総合『桂文枝の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和2(2020)年4月12日OA。
◆三遊亭小遊三「魚根問」(NHK総合『桂文枝の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和2(2020)年4月12日OA。
◆笑福亭喬介「七度狐」(衛星劇場『衛星演芸招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。