竹林亭白房

壱之輔「青い瞳をした会長さん」★落語

□本日落語三席。
◆笑福亭呂好「近日息子」(衛星劇場『衛星演芸招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。

◆桂壱之輔「青い瞳をした会長さん」(衛星劇場『衛星演芸招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。

◆桂三枝(六代文枝)「青い目をした会長さん」(YouTube)。
壱之輔の「青い瞳をした会長さん」を聞いて、嗚呼、これって、三枝の創作落語だったよなと思い出した。三枝の作品は、それぞれあちこちで東西を問わず演じられるようになっている。
さて、創作者の当人の高座はいつ聞いたのだろうと、調べてみたところ、自分が鑑演記録をつけ出した2006年以後にはまったく出てこなかった。これはそんなに昔に創ったものなのか。いや、それはあるだろうが、鑑演記録にも残していないときに聞いた古い落語をよくおぼえていたものだなと、自分の記憶力に感心した。
してみると、これは文枝襲名以前の三枝時代の作なのだろう。そこで、ネット上に当人のものはないかとさがしてみたところ、二三出てきた。そのなかで、いちばん短いものをサクサクッと聞いてみた。ちなみに、些末なことだが、演題は「青い瞳……」でなく「青い目……」。ただし、三枝口演のコンテンツでも「瞳」とするものがあるから、表記は壱之輔がかえたわけではなさそうだ。
もしかすると、三枝は、「目」と「瞳」で表記をかえたのには、内容の変更もともなっていたのかもしれない。というのも、今日聞いた壱之輔のと、YouTubeで聞いた三枝のものとでは、落げを含めてちょっと異なっていたからである。
また、壱之輔のでは、演題の「会長さん」の会長の噺における役割が弱かったが、これは壱之輔が今回の高座の尺にあわせて再構成したからだろうか。それとも、自分の語りやすいように、会長の役割をひっこめたのだろうか。
平板な言いかたになるが、原作者三枝の高座のほうが、演題に沿った内容にもなっていておもしろかった。三枝の「青い瞳……」と題した他の高座も聞いてみたいと思うが。
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