竹林亭白房

鬼丸「権助魚」★落語

□本日落語一席。
◆三遊亭鬼丸「権助魚」(寄席チャンネル『粋 らくご』)。
新橋内幸町ホール、令和5(2023)年1月20日(三遊亭鬼丸独演会「タロ人会」第84夜)。
昨日聞いた鬼丸の「ぞろぞろ」は、わりと斬新な演出だったのに比して、今日聞いたこの「権助魚」はいたってオーソドックスなネタはこびだった。鬼丸のなかで、アレンジするか否かの基準は何かあるのだろうか。

ところで、東京落語にしばしば登場する下男の「権助」だが、これが小学館『日本国語大辞典』に一項目あるということを最近知った。「(江戸時代、下男に多い名であったところから)下男、召使い」と語釈にある。つまり、「権助」はもう普通名詞化していたということか。

また、このなかの用例に『守貞漫稿』(三)を引いたものがあり、「下僕を下男と云。京坂方言に久三と云。江戸の方言に権助と云」とある。
なるほど。ただ、東京落語には頻繁に飯炊きの権助が出てくるが、上方落語だとそのような者が出てくるのを次から次と思いつかない。せいぜい「試し酒」か。確かに、ここに出てくる下男は久三だ。ただ、これを桂米朝はどういう考えか権助としている速記がある。
また、「試し酒」を東京の落語家が演る場合、逆に権助でなく久三としている。これは、この主人が近江屋だからではないかとする説がある(榎本滋民『落語ことば・事柄事典』)。

ちなみに、「権助魚」に相当する上方落語は「禍は下」だが、「禍は下」だと、下男が演じる役どころが丁稚の定吉となっている。
また、下男の出てくる落語を聞くときは注意しておくことにしよう。
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