□本日落語一席。
◆六代目柳家小さん「笠碁」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和4(2022)年11月20日収録。
当代小さんの「笠碁」は三年前にNHKラジオ第一『真打ち競演』で一度聞いている。公演情報は、徳島県藍住町総合文化ホール、令和元(2019)年12月7日収録(2020年2月8日OA)。
そのときは、ラジオでのOAがわかっていながら、所作を眼目とするこのネタをなぜ演ったのだろうかと訝った。ただ、今回、この映像での一席を聞いて、当代小さんは師匠五代目小さんの「笠碁」をさほど踏襲していないからかと、なかば納得したところもある。なかばだが。
というのも、五代目小さんの演る「笠碁」は、後半で碁敵のところへ訪ねていく男が編笠をかぶって首を左右に振り振り行くのだが、六代目はそこのところをさほどしつこく演じていなかったのだ。
どちらかというと、十代目金原亭馬生の型に寄せた演りかただろうか。つまり往来する男よりも、訪ねられたほうの男にフォーカスした演りかたである。しかし、こちらも行き来する男を目で追うしぐさが眼目となるため、やはり映像向きでラジオ向きではない。だから、さきほど「なかば」と書いた。
ただ、導入では、いきなり「待ったしてくれ」と言って始まるところは五代目小さん型だ。十代目馬生型だと、「待ったしてくれ」の前に、なぜ「待った」を問題にするのかという理由がいくばくか語られる。
そして、昨今のトレンドかもしれないのだが、最後水がポタポタ漏るので「まだ編笠を取らない」という落げ(小さん・馬生型ともに同じ)で切らないという演りかたを、この当代小さんも拵えたようだ。
漏る水に「まだ編笠を取らない。ちょっと待っとくれ」と一方の男が言ったあと、相手が「え?待った?今日も待ったなしだ」で落げ。これはどうかな。まあ、こんな感じでも良いか。いずれにしても、これはあまり落げが重要というわけでもない。
◆六代目柳家小さん「笠碁」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和4(2022)年11月20日収録。
当代小さんの「笠碁」は三年前にNHKラジオ第一『真打ち競演』で一度聞いている。公演情報は、徳島県藍住町総合文化ホール、令和元(2019)年12月7日収録(2020年2月8日OA)。
そのときは、ラジオでのOAがわかっていながら、所作を眼目とするこのネタをなぜ演ったのだろうかと訝った。ただ、今回、この映像での一席を聞いて、当代小さんは師匠五代目小さんの「笠碁」をさほど踏襲していないからかと、なかば納得したところもある。なかばだが。
というのも、五代目小さんの演る「笠碁」は、後半で碁敵のところへ訪ねていく男が編笠をかぶって首を左右に振り振り行くのだが、六代目はそこのところをさほどしつこく演じていなかったのだ。
どちらかというと、十代目金原亭馬生の型に寄せた演りかただろうか。つまり往来する男よりも、訪ねられたほうの男にフォーカスした演りかたである。しかし、こちらも行き来する男を目で追うしぐさが眼目となるため、やはり映像向きでラジオ向きではない。だから、さきほど「なかば」と書いた。
ただ、導入では、いきなり「待ったしてくれ」と言って始まるところは五代目小さん型だ。十代目馬生型だと、「待ったしてくれ」の前に、なぜ「待った」を問題にするのかという理由がいくばくか語られる。
そして、昨今のトレンドかもしれないのだが、最後水がポタポタ漏るので「まだ編笠を取らない」という落げ(小さん・馬生型ともに同じ)で切らないという演りかたを、この当代小さんも拵えたようだ。
漏る水に「まだ編笠を取らない。ちょっと待っとくれ」と一方の男が言ったあと、相手が「え?待った?今日も待ったなしだ」で落げ。これはどうかな。まあ、こんな感じでも良いか。いずれにしても、これはあまり落げが重要というわけでもない。