Chibyのコトノハ

アナタが笑ってれば、それでイイ

斗米庵

2010年02月15日 | 伊藤若冲
これは、伊藤若冲さんの別号です。


晩年、生活に困った若冲さんが

自分の絵と米一斗と交換したことから付けられた別称です。


天明の大火で焼け出され、大阪へ逃れるまで

ずっと彼が暮らしていた京都には、美術館はもちろん

お寺にも彼の傑作が大切に保管されていて、

縁の深いお寺には、お墓まであります。

相国寺はそんなお寺の1つで、

現在宮内庁が所蔵している、あの有名な『動植綵絵』は

最初は相国寺へ寄贈されたものだったといわれています。


今そこに隣接している承天閣美術館では、

「金閣寺と銀閣寺の寺宝展」をやっていて

若冲さんの作品を見ることができます。



ここの美術館は、入り口で靴を脱ぐんですけど、

それがまたイイ。

なんか“京都”って感じで。

でもって、柔らかいじゅうたんの感触が足に心地いい。


入って小さな受付と売店を抜けると

重厚な自動扉がある。

中はほんのり薄暗い。


その中にありました。

伊藤若冲、奇才と呼ばれた天才画家の絵が。



― 息をのむ ―


まさしくこの時の私でした。


なんだろ・・・何て言ったら伝わるかな・・・・・



うーん・・


例えば、富士山からご来光を見るような(見たことないけど)

アフリカの大草原に沈む夕日をみるような(行ったことないけど)

なんかこう・・圧倒的な“何か”(例えば私にとっては自然だったりするんだけど)を目の当たりにしたときって、

なんかもう「こうさ~ん(降参)」ってならない? 笑

相手がデカすぎて、自分が小さすぎて

思わず「ははっ」って笑っちゃうみたいな。


なんかね、若冲の絵はそんな感じだった。(わかりづらっ)


ラッキーなことに、若冲の絵のまん前に

クッション付きの長いすが置いてあって

私はずーーーーーーーーーーーーーっと

本当にずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと

そこに座って若冲を見てた。


で、私の頭の中に浮かんできた一文字。


 「生」


若冲の絵は「生」きているんだって。


動物だけじゃない。

描かれている草木、花、雲や岩までも

みんな「生」に満ちている。

私はこの圧倒的な「生」にやられてたんだって。


若冲の彩色はもちろんスゴイんだけど、

墨だけで書いた絵がもっとすごい。


なんていうかな・・・



体温を感じるていうか・・・

鳥の胸のとこに生えてる毛があるじゃない?

その毛の下の羽毛まで感じられるっていうか、

もっとゆうたら、

その羽毛の温かさまでわかるっていうか。




比べるもんじゃないのはわかってるけど、

奈良さんの作品はね、

胸の一番やらかいトコを

きゅぅぅぅ~・・ってつかまれる感じ。

で、そのあとジ~ンみたいな。


若冲は、あったかい衝撃波を体全身で受ける感じ。

で、背中がほわ~んみたいな。

(はぁ~・・この貧弱な私のボキャブラリー、何とかならんか!)


と・に・か・く!

本当にヨカッタ。

癒されたよ~。


でもって私、決めました。

4月に静岡である『若冲アナザーワールド』

行きます!

えぇ、行きますとも。



絵を描くこと以外、なんっにも興味がなかった若冲さん。

私と違い(当たり前だって)酒も飲まず、

芸事や女遊びも一切なし。

結局結婚もせず、生涯独身だったらしい。

なんてエキセントリックでストイック。


なんかさ、ここまで極端じゃないにしろ、

奈良さんもちょっと似てるよね。


やっばいなぁ~・・

ハマるわけだ~・・・(笑)