日常生活の安全

5月6日付けのThe New York Timesにちょっと怖いはなしが載っていた。
中国から医薬用として輸出されたグリセリンが実は工業用のジエチレングリコールで、これを使って作られた薬で多くの人が死んでいると言う話。　パナマではこの偽グリセリンを使った咳止め薬で多くの死者が出ていて、当初は未知の伝染病だと思われていたが、昨年の10月に原因がわかり、中国政府に調査を求めているが対応はよくないらしい。
少し前には中国で作られた小麦グルテンにメラミンが含まれていて、それを原料としたペットフードが原因でペットが死んでいるというニュースもあった。

中国製品が危険ということではなく、日常生活でどうやって自分の身を守ればよいのかという問題。
日本でも有毒物質を撒き散らす人がいたり、電車が猛スピードでカーブに突っ込んだりで、日常の安全がシステムとして保証されているわけではないことを薄々は感じている。　が、ドラッグストアで売っている薬、医者に処方される薬の安全性にまで疑問をもっている人は少ないはずだ。

信頼していたはずの食品メーカーの不祥事ぐらいでは誰も驚かなくなっているこの国の製造業の現状を見ると、この問題をどこか遠くの貧しい国で起こったこととして済ませる訳にはいかないだろう。