「黒牢城」を読んだのを契機に
荒木村重のことを考えている。
彼は何を考えてたんやろ?
見出し写真は有岡城にあったもの。
この絵の村重は饅頭を咥えている。
信長が切っ先に突き刺した饅頭。
「有難く頂戴する」と口で咥えた。
その故事を描いた絵なのだろう。
饅頭に刀で差した跡が見える。
村重は信長に可愛がられたと言う。
度胸もあり能力も高かったろう。
明智光秀や黒田官兵衛らと懇意で、
知的レベルも高かったろう。
そんな村重が。
齢四十過ぎになって。
妻子を含む一族や重臣家族数百名。
見殺しにして生き延びたのは何故?
後世に美名は残せない。
命惜しさや自分の為でもなかろう。
悪名を背負っても成就したいこと。
それがあったに違いない。
それは何か。考えられるのは…。
信長の天下統一を阻止することか。
伊丹での謀反の際に、使者の糾問
に翻意したかのような振る舞いも、
黒田官兵衛の幽閉も、時間稼ぎと
織田家中の不信助長の為と考えれ
ば合理的なことのように思える。
反信長となった理由は諸説あるが、
真相は判らない。
村重が転戦した越前、石山、紀州。
いずれも一向門徒の討伐だ。
そうしたことが原因かもしれない。
信長にこのまま天下を取らせたら
絶対あかん。
個人的な恨みや野心とかではなく、
もっと広く世の中のあり様として。
そう思ってしもたんちゃうかな。
後に本能寺の変を起こす明智光秀
も同じやったんかもしれんなぁ。