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聴刻堂日乗

内田百閒

岡山への道中に読むために。
1冊の文庫本を持って行った。
内田百閒の「蓬莱島余談」。

内田百閒は明治22年生れ。
小説家であり随筆家。
夏目漱石の弟子だったらしい。

名文家として有名。
一度読んでみたかったのだ。

だが、読んでみてやや期待外れ。
当時の文体としては新鮮だったか。

書いてある内容にしても。
当時としては洒脱な人柄だろうが。
封建的と言うのは大げさだけど。
特権的なお気楽さが鼻につく。

蓬莱島とは台湾のこと。
日清戦争の講和条約で割譲された。
日本領だった当時の紀行集だ。

内田百閒が書いた一文が面白い。
本書のP.69に掲載されていた。

「当時の事情を今日の目で読む。
 これ程面白い物は滅多にある
 ものではない。」

本書はまさにこの通りだと思う。

ちなみに内田百閒は岡山市出身。
不思議な縁というか偶然やなぁ。

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