「あの年、まにあったんだっけ」
数日前、夫に桜のころの思い出を尋ねたばかりだった。
「だれか持ってきて見せたと思うよ」
ようやく咲きそろったさくらに時ならぬ大雪。
棺に入れたような気がするが
記憶違いかもしれない。
いまだって
少なからずこいつはオトナか?
と疑うところのある夫だが、
反発するほどに存在の大きかった舅の死は
転機だった。
血はつながらずとも
それは私にもあてはまり
庇護する人のいない時代への一歩になった。
数年後。
“さくら剪る馬鹿”のいましめを知らぬわけではないが
団地でいの一番に花ひらく樹の一枝を
こっそり折る自分がいた。
弟が見る最後のさくら。
いけないことと知りつつ
あえてかぶろうという意識があった。
だれよりも弟思いの妹は
指をくわえてはいなかった。
一晩実家に戻ると翌日
倍以上の戦利品をかかえて病室に現れた。
弟といっしょに大きくなった坂道の花だった。
さくら待つころ。
それは 私にとって
封印した死者の記憶が
立ち還ってくる季節でもある。
数日前、夫に桜のころの思い出を尋ねたばかりだった。
「だれか持ってきて見せたと思うよ」
ようやく咲きそろったさくらに時ならぬ大雪。
棺に入れたような気がするが
記憶違いかもしれない。
いまだって
少なからずこいつはオトナか?
と疑うところのある夫だが、
反発するほどに存在の大きかった舅の死は
転機だった。
血はつながらずとも
それは私にもあてはまり
庇護する人のいない時代への一歩になった。
数年後。
“さくら剪る馬鹿”のいましめを知らぬわけではないが
団地でいの一番に花ひらく樹の一枝を
こっそり折る自分がいた。
弟が見る最後のさくら。
いけないことと知りつつ
あえてかぶろうという意識があった。
だれよりも弟思いの妹は
指をくわえてはいなかった。
一晩実家に戻ると翌日
倍以上の戦利品をかかえて病室に現れた。
弟といっしょに大きくなった坂道の花だった。
さくら待つころ。
それは 私にとって
封印した死者の記憶が
立ち還ってくる季節でもある。
おかげさまで、マイペースながら、ブログも書いています!
ほんとうにありがとうございました。
一月の振り返りをしてみましたので、TBさせてください!
我が家は、明日高校へお花見に行く予定です!!
仕事で近くまでは行っているのですが、もうあと数十メートル、往復する時間がなくて。
あたたかいといいですねぇ・・・
もしよろしければ、鴉の独りごとのリンクを
してもよろしいでしょうか?
hama-wind さまにもリンクのお許しがいただけたので
Suzuka さまの、お写真を楽しませていただきたくて・・・
もしも、お忍びでしたら、遠慮いたしますが・・・
無碍にいなやと申せましょうや。
草の庵どころか、葎のはて、
末摘人の住処でござります。
お心に副いますかどうか・・・