わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

縁のかたみに

2006-03-02 23:55:00 | かぜは・・・
むすめが生まれたとき、親しくしていた方が作ってくださったお雛さまです。
私個人がというのではなく、夫の父の代からの仕事も含めてのお付き合いでした。

大安の日。
高齢のため、布の処理が思うようにできなかったこと、
生地だけは手に入る限りいい物を使ったこと、そして
「玲ちゃんがお嫁に行くときは、必ず一緒に連れて」
の言葉とともに 託してくださいました。



落ち着いた男雛の衣装の取り合わせに、選ばれた方の心情を重ねつつ。
言葉が話せるようになってからは
むすめは毎年 お雛さまを飾った報告のお電話をかけ続けました。



事情が変わって往き来がなくなり、夫の前ではかけられなくなってからも。
むすめからの電話には応えてくださっていました。



屏風と雪洞は実家の母がそろえてくれたので、
小さなお道具が好きなむすめと、人形の家や鎌倉館を巡る傍ら
こまごまといろいろなものを買い集めました。
三人官女が衣装着なのは、たまたま珍しい色の打掛のばら売りに出くわしたため。

ことしも娘が自分で飾り付けましたが、
そのまえに 本棚の上の大量の本をそっくりぶんなげるという、
思い切った地上げを敢行して、居場所を確保しております。


数年前、わが家を襲った地崩れにより、ご挨拶も途切れていました。
ことしは、忘れずにむすめに伝えさせましょう。
おひなさまたちは、ことしもお変わりありません、と。





2 Comments

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お雛さまに宿るいにしえのこころ (風待人)
2006-03-04 07:41:53
大きな神社の隣にある学校に通っておりましたので

宝物館での古い時代のお雛様を見たことがあります。



そこに纏わるちょっとおそろしげなものも感じつつ

何やらものに寄せるひとの想いの深さを、思わずにはいられません。



私が子どものころは、長くお雛さまにいてほしくて

よく母が、旧暦のお雛さまにしましょうと4月3日ころまで出していてくれましたが、

よく考えると可笑しいような、片づけが間に合わなかっただけなのか・・・



お嫁入り前のお嬢さんがいらっしゃると

それはまたそれで、お忙しいことでしょうね・・・ 
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古いお雛様 (Suzuka)
2006-03-05 09:08:10
風待人さま



ことしもあっというまにお節句が過ぎてしまい。

越生の笛畝記念人形美術館にも、

横浜の人形の家にもまた行く機会を逃してしまいました。



いつか、酒田にも足を伸ばしてみたいものですが・・・

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