“いとおしきがらくた” 2006-03-15 11:29:34 | わただま飛行便 さてもさても、お宝の山というならいざ知らず。 贔屓目にみても お役に立ったはいつの世じゃ?という面々が 押入れのふすまへだてて、押すな押すなの大賑わい。 まぁ、・・・ この国は八百八神、つくも神の伝統あれば、 あなおろそかにしたてまつるもなりますまい。 いでや。 いとおしくもやっかいな、品々へのご愛着、 ひとくさりお聞かせ願えませんでしょうか。 次回のお題は “さくら待つころ” の予定。 #習い事 « もかさん、がんばれ | TOP | メッセージ »
2 Comments コメント日が 古い順 | 新しい順 捨てられない。 (風の森) 2006-03-19 17:36:48 いつの頃からだろう、母は空瓶を集めるようになった。最初は、綺麗な色のものや外国土産にいただいた珍しいものを集めては、季節ごとに選んで窓辺に並べて楽しんでいた。そのうち、道端に落ちている瓶も拾ってくるようになった。認知症のはじまりだった。それでも、きれいに洗って熱湯消毒までして、充分に乾かしてから更に乾燥剤を入れて、しまっていた。それはすぐに夥しい数となった。「生死に係わることではないから、よしとしよう」と、いつも穏やかに笑っていた父が突然逝ってからも、母の瓶集めはしばらく続いた。「ジャムをたくさん拵えたら、皆さんに差し上げるのにいいでしょう?」「で、誰がジャム作るの・・・?」「もちろん、あんたよ」呆けてるんだか、呆けたふりをしてるんだか。半分あっちの世界へ行ってしまっている母との暮らしには、思いがけない楽しさがあった。そんな母も、昨秋とうとう施設に入った。立て続けに二人の主人を失くしたこの部屋の押入れには、ピッカピカのいとおしい瓶たちが、晴れの出番を信じながら息を潜めて眠っている。 返信する ひかりのかけら (Suzuka) 2006-03-20 07:58:56 ようこそおいでくださいました。壜を透す光りは、別の世界を巡ってくるのでしょうか。風の森さまのお話もこれからは壜を目にするたびに思い出すことと思います。素敵な名づけですね。長く生きていることはこんなすばらしい日にもまためぐり合うことなのですね。 返信する 規約違反等の連絡 post a comment goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
最初は、綺麗な色のものや外国土産にいただいた珍しいものを集めては、季節ごとに選んで窓辺に並べて楽しんでいた。そのうち、道端に落ちている瓶も拾ってくるようになった。認知症のはじまりだった。
それでも、きれいに洗って熱湯消毒までして、充分に乾かしてから更に乾燥剤を入れて、しまっていた。それはすぐに夥しい数となった。
「生死に係わることではないから、よしとしよう」と、いつも穏やかに笑っていた父が突然逝ってからも、母の瓶集めはしばらく続いた。
「ジャムをたくさん拵えたら、皆さんに差し上げるのにいいでしょう?」
「で、誰がジャム作るの・・・?」
「もちろん、あんたよ」
呆けてるんだか、呆けたふりをしてるんだか。半分あっちの世界へ行ってしまっている母との暮らしには、思いがけない楽しさがあった。
そんな母も、昨秋とうとう施設に入った。
立て続けに二人の主人を失くしたこの部屋の押入れには、ピッカピカのいとおしい瓶たちが、晴れの出番を信じながら息を潜めて眠っている。
壜を透す光りは、
別の世界を巡ってくるのでしょうか。
風の森さまのお話もこれからは
壜を目にするたびに
思い出すことと思います。
素敵な名づけですね。
長く生きていることは
こんなすばらしい日にもまた
めぐり合うことなのですね。