ごろにゃん御殿からの便り。

猫と写真と映画と読書とハンドメイドのある暮らし。

「少年A 矯正2500 全記録」草薙厚子著

2004-12-28 | 


文芸春秋社
平成16年発行
定価1,238円+税

先日、近所の古本屋で半額ででていたので買う。
前から、読みたいと思っていたので、半額はちとなあ、100円だとよいなあと思いながらも買う。
著者は、以前テレビアナウンサーをやっていたこともある(顔に見覚えあり)、元法務教官だったひとである。

少年Aといえば、神戸児童殺傷事件の酒鬼薔薇 聖斗(漢字変換めんどくさいや)を思いうかべるくらい有名になってしまった彼の代名詞だが、実はこの衝撃的な事件がおきたとき、わたしは新聞もワイドショー番組もくわしくみてはいない。
というかみれない環境にいたので、うっすらとしかしらなかったのだが、何かのきっかけで、後に、強く関心をもち、手にばいる関連書籍は、ほとんど読んだ。かったのもあれば、図書館で探してよんだのもある。

ニュースをみれない環境といえば、刑務所にいたのか?と推測されちゃうかもしれんが(←そんな推測だれがする?←ばか)、みれないというより、みる元気がなかったといったほうが正解。
ありていにいえば働きすぎて(ほんとかな?)、過労でダウンし、入院していたのだった。
もし、ガン家系だったら、ガンになっていたかもなと今にして思うが。

新聞やテレビは、病院で禁止してるわけではないので、みようと思えばみれるが、いたくて疲れて動けずその気合がでなかっただけのはなしだ。

それはさておき、いろんな本を読みあさりながら、警察のでっちあげの冤罪かのようにかいているものもあり、もしかしたら、そうかなとも思ったりしていた。
新聞記者やノンフイクション作家がかいている内容も、全部が事実というわけでもないかもなどと半信半疑だったのだが。
中学の教師がかいていた内容も、報道とは、事実はちがうなどとかいてあった。
当時読んだ内容は、もうあらかたわすれてしまったのだけど。

国語が苦手だったという少年にしては、犯罪に使った文章が、かなり高度なので親でさえ、別人がかいたと思ったらしいが、わたしも、そう思った。
大体、母親が、気づかないはずがないと思ったし。(この母親、「きびしくしつけてた」というわりには、わが子の動向にきづかなすぎるのでは?猫ごろしも近所では有名だったと(本による)いうのに、知らないのは母親だけなんて、ありかな?)

猫を惨殺して、びんに猫の舌を沢山ためて友達にみせて気味わるがられたというエピソードなども、眉唾だなあと思ったりしたのだが、今回、この本を読んで、ほとんどが事実だったのだなあと知った。

少年のよーな嗜癖は、性的サデズムというのだそうだ。
健康な男性なら、女性を想像して性欲するのに、女性をみてもなんとも感じず、残酷な場面でのみ性欲するのだそうだ。(サスペンス映画の世界だ。)
想像の世界は、当人しか知らないので、ひとにしゃべらなければ、気づかれることはない。
なぜ、そういう人格ができあがるのかは、少年の場合は、母親の厳しいシツケが原因だったようだ。

母親がかいた「少年Aこの子をうんで」というのも読んだが、勿論自分が広義の虐待をしてきたとは思ってもみなかったのだ。

この本の感想についてかくと長くなるので、このへんでやめるが、少年は、すでに少年ではなく、ふつうの青年として生まれかわったそうである。よかった。
もし、14歳で、この犯罪をおこなったのでなく、成人してからだったら刑務所で人生をおわることになっただろうなと思う。

「魂の叫び」という精神分析医がかいた著書に、ヒットラーを分析した部分がある。
ヒットラーは、こども時代、父親に虐待されていた。
父親は、ユダヤ人の私生児出身で、社会的には出世したのだが、劣等感が強く、それのはけ口に、仕事から帰宅すると、毎晩ヒットラーをよんでムチでたたくのを日課にしたそうである。(すごい)
母親は、みているだけで助けない。
そのときの強烈な恐怖体験が、大人になってからユダヤ人憎悪と虐殺で再現しているというのだ。

小さいこどもが親に対してもつ恐怖から、サデストになっていく過程がなんとなくにているよーなきがして思いだした。
もし、A少年が、犯罪にかかわらずに、うちにひめたまま成人して父親になった場合、自分のこどもに、自分の恐怖体験を再現することになったかもしれない。

このとこ、読書と冬ソナもみなくちゃならんし、ビデオ返却の日が迫ったので、あせってみてたので、blogをかまっていられずだった。

年末なので゛いそがしい。何もせんが。

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