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鼓曲萬来

昭和のプロレスに育まれたのは確かだ(改)

「プロレスはやらせじゃないですよね?」

ある中学生?の質問に現役のレスラーが全力で答えていた...
...これは面白かった、その全てが、そして寄せられるコメントも又、...
 
思えば...中学生の頃、男子校だったので、女の子の話題なんかよりも、
圧倒的にプロレスの話は多かった...
で、当然その技やキャラクターの凄さに興奮したものだが、時に話題になったのは
「でもさ~あれってさ、本当じゃないよね~」だ.....
クラスの中にはこういう奴が何人かいて
「あんなのに嵌って馬鹿じゃね~の」って蔑まれる事も時にはある。
わかってるよ!わかってるけどさ~.....
 
そう言いながらも勿論誰もガチかヤラセか
確定する確かな確証は何一つないんだけれど....、
そこで、各々の私見が語られて行く事になって、....
最後には取っ組み合いのような状態になるのが常だった。
 
私ですか?...実はこの質問した方は、あの頃の自分としか思えんのですわ...
ちゅ~か、自分ですわ。
 
で、それに対して色々なコメントが寄せられてくる、...
「ガチ!と思え!」 いや「ヤラセと最初からはっきり言うべきだ?」...
色々な意見が100文字内で整然と語られていくのだ
どれも、....反対の意見にも何故か頷けてしまう
 
最近のTVの討論なんかよりは意見を述べている時に興奮した人が被せてくるよりは
数倍面白い、..まあ中にはかなりノイズのような方も見受けられるが、...
それも又それであの頃のようで(中学生時代)面白いのだ。
 
勿論中学生の頃だって
「墓場から蘇った恐怖のレスラー、ザ、マミ~!!」なんてMCがあったって
本当にミイラ男だとは思わなかったし、反則でゴングが打ち鳴らされても、
これ決まってたんだろ~なとは思ってたけど、
それでも「ミイラ男の包帯に触っちゃ駄目だ~」!
なんてかなりその世界にのめり込んで見ていたのはたしかですわ......。
 
で、まあ、....ちょっと思ったんですけど、これって、
今でも解決しきれない、いわば究極の問題なんですね....
つまり大げさに言えば「生きる」とは?に近い位の。
 
で、あれから何十年も経って色々な考えに
何回も何回も変化しつつ~のループし~の、
それじゃ...今、お前はこの問いに対してどう答えるか?って事なんですわ。
 
間違いなく言える事は以下の事を知ってる人は(まあ、同年代だとは思いますが)
たとえ政治信条が違えど、平均収入の格差がそこに存在しようとも
多少の人生に於けるこだわりが異なろうとも
我々は全ての境界を越えて同士となることが出来るという事なのだ
 
例えば、ディック八ットンのコブラツイスト
ヘイスタックカルホーンにザ、マミー
グレート東郷のニヤニヤ笑いにバケツ攻撃
フレッドブラッシーのかみつき
鉄の爪フリッフォンエリックのアイアンクロー
キャメルクラッチのザシークに黒い呪術師アブドーらブッチャーの地獄突き etc etc
 
 
凄い錚々たる面々では有るが、彼らはプロレスの世界では悪役
所謂、ヒールと呼ばれる負け役に徹していたのだ
勿論プロレスに勝敗等は関係ない
前半戦は悪道の限りを尽くして最後には反撃をくらってリングに散る
まるで水戸黄門のドラマを見ているようだが
つぎつぎと繰り出されるキャラ満載の必殺技にドキドキしてしまうのだ
 
そして自分はというと、正義の立場、この場合
力道山とかジャイアント馬場とかアントニオ猪木といったレスラーより
遥かにヒールの彼らを愛している自分がそこにはあった
むしろ興奮度とか期待度は彼らのほうに分があったように思える
 
それは.....今還暦を過ぎていても
なにか何も変わっていないような気もするのだ
 
昔リキパレスの側の店で演奏していた時
アブドラブッチャーが店に入って来た事がある
その時、店内は一瞬シーンとなった
 
やがて、バンドの方へ歩いてきたブッチャーは
あのカン高い声で我々にこうリクエストした
「GEORGIA ON MY MIND?」
 
以来、僕はどんなに彼がリングで暴れようと
極悪非道と書きたてられても
彼を応援した
 
そうなんだよな、....
こういったレスラーが普段どんな生活しているのかなんて知らなかったし
あんな事、この世界で通用しないって事はうすうす気付いてはいたけど
まして後年になって力道山やグレート東郷がフェイクの日本人だという話もあって
この歳になって最近のプロレスはあまりTVで見る事も少なくなってしまったけれど
今でもこういったヒール役はリングで暴れているのだろうか
或いは彼らのように、全てのキャラが謎に満ちていて、しかも強力で
想像力を掻きたてられるようなそんなレスラーは存在しているのだろうか
 
白黒の画面でテレビに登場してくるのと、全ての情報が一瞬に明かされるような
現在の情報世界では、そんなグレーゾーンは存在しないのかもしれない
 
4の字固めで本当に恐怖の帝王だったかのザ、デストロイヤーが
噂のチャンネルで和田アキ子に張り扇で殴られたような時代から
プロレスはあまり見なくなってしまった。
 
そうなんだ、あの頃のプロレスはやらせと言うべきなのか、
それとも知った上でガチだと強硬に言い張るべきなのか
情けない事に今も結論は出ていない
 
裏の裏は表って事もあるのだろう
反対に表の表は裏だ。
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