10年近く愛用しているソニーのデジカメ DSC-TX20の電池蓋が開いたまま閉まらなくなりました。
良く見ると固定しているスライド式の爪が引っ掛かる部分が欠けて無くなっていました。
床を探して見ると欠けた部分が落ちていました。
繋ぎ合わせれば何とかなりそうだったので回収して無くさないように持ち帰りました。
プラスチック部品をくっつける場合、瞬間接着剤を使いたくなりますが今回のような常にバネと防水用のゴムパッキンの力がかかるような所では強度不足ですぐに取れてしまいます。
こんな時に役立つのが武藤商事のプラリペアです。
プラリペアは私が知る限りでは30年近く前には存在していました。
「アクリルパテ」の一種だそうです。
今回は黒(ブラック)を使いました。
他にも白、青、透明があります。
プラスチック(アクリルらしい)の非常に細かな粉末とこれを溶かして固める溶剤と溶剤を少量塗布するための注射針付きの容器がセットになっています。
注射針は先は尖っていないので安全で、針の途中に溶剤が出る穴が開いている専用品です。
途中の穴は先端が詰まっても溶剤が出てくるように工夫されたものです。
スポイトも付いていますが溶剤が多く出過ぎてしまうので私は使ったことがありません。
溶剤は粉末のプラスチックだけでなく接着する物も溶かすので良くくっつきます。
粉末のプラスチックは固まるととても硬くなります。
プラスチックの粉末を溶剤で溶かして固めるやり方は、粉末をまぶしておいて溶剤を滴下する方法、注射針の先に溶剤を出してこの溶剤で粉末をすくい取り補修部分に塗りつける方法(ニードル法)など、いくつかあります。
私はニードル法を使っています。
こちらのYouTube動画の関連動画に使い方がたくさん出てきます。
止まらなくなったねじ穴の補修までできるようです。
修理方法
まず、取れた破片を元の位置に合わせました。
破片がずれないように押さえながら割れた部分に外側からプラリペアを塗布して行きます。
5分ほどで固まるので固まるまで待ちます。
固まったのを確認して、爪が引っ掛かる穴の中にも穴が塞がらないように奥の方に少し塗布しました。
電池側も少し塗布しました。
すべて固まった後に外側にプラリペアを厚塗りして補強しました。
1mmほど盛り上がっていて見た目は悪いですが壊れるよりましです。
開け閉めして問題無いことを確認して修理完了です。
他にも上の画像の右側角の外装カバーの細い部分が欠けて無くなっていたので補修しました。
本体とくっついてしまうと取れなくなるのでカプトンテープの粘着面を張り合わせたテープを間に挟んでプラリペアを肉盛りしました。
(カプトンテープは非常に薄いのでこういう時に便利です)
アルミホイルでもよかったかもしれません。
凸凹していて見た目が悪いですがくっつきました。
見た目を気にする場合はヤスリで平らに削ればきれいになります。
はまり込む爪がなくなってしまったようで側面が少し開きます。
そこでセロテープで留めました。
(上の画像の黄色のカプトンテープで留めているところです。)
最近はスマホで撮影することが多くなりましたが、TX20は光学4倍ズームが搭載されているので拡大撮影したい場合に重宝しています。
レンズカバーの部分をスライドさせるだけで電源が入るのも片手で操作出来るので便利です。
自己修理出来なくなるまで使い続けるつもりです。
割れてしまったプラスチック部品はプラリペアで補修できるものがあると思います。
ただ、テフロンやナイロンなどはくっつかないと思いますので武藤商事のホームページで使えるプラスチックをご確認ください。
「6.使えるプラスチックのチェックは?」で確認できます。
また、溶剤は匂いがきついので十分換気した場所で作業することをお勧めします。