得意のリサイクルショップで天体望遠鏡Meade ETX-90ECのジャンク品を救出してきました。
鏡筒の状態は良好で画像にはありませんが、25mmの接眼レンズも付属していました。
店頭で確認したところ、電池ボックスがアルカリ乾電池の液漏れで大変なことになっていました。
(液漏れしいている電池ボックスの写真は取り忘れました)
電池ボックスの液漏れを見ていたのか、使えるACアダプターが無く動作確認できなかったからなのかわかりませんがジャンク品という事で諭吉さん一人でおつりが来ました。
Meade ETXシリーズのDCソケットは中心のピンが太く、一般的なACアダプターのプラグは入りません。
液漏れした電池を取り除き電極に付着している電解液が乾燥した物も取り除いてみたのですが、電極にこびりついたものはなかなか取れません。
板バネの電極がプラスチックの枠にはまっている構造だったので分解して電極を取り外し、水を付けながらブラシでこすってみたものの、簡単には取れませんでした。
少し考えてアルカリ電池ということなら酸と反応するのではないかと思いました。
調べて見るとアルカリ電池の電解液は水酸化カリウムが主成分ということかわかりました。
水酸化カリウム(苛性カリ)は強アルカリで水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)よりもアルカリ性が強く危険です。
反応させる酸というと塩酸や硫酸を思い浮かべると思いますが塩酸や硫酸は強酸です。
強アルカリと強酸が反応すると激しい反応となり高熱を発生させて場合によっては爆発するような反応になるためとても危険です。
強アルカリを中和させる時は弱酸を用いなければなりません。
そこでクエン酸を使ってみることにしました。
最初はクエン酸を水に溶かしたクエン酸水溶液を少しかけて見ました。
すると液漏れした電解液の固まりと反応しているのがわかりました。
そこでクエン酸水溶液の中に電極を入れて見ました。
少し泡を出しながら反応していました。
反応しなくなるまでしばらく漬けて置きました。
左がクエン酸に浸ける前、右が浸けた後です。
小さい電極以外は順番が入れ替わっていますがこびりついていた付着物が取れているのが解ると思います。
アルカリ乾電池の液漏れが起きた電池ボックスの電極はクエン酸水溶液で落ちますのでみなさんもお試しください。
試される時は少量のガスが発生しますので念の為十分な換気のできる場所で行ってください。
尚、マンガン乾電池の場合は電解液が微酸性の塩化アンモニウム水溶液または中酸性の塩化亜鉛水溶液を使っているそうなので弱酸性のクエン酸とは反応しないと思われます。
弱アルカリ性の炭酸水素ナトリウム(重曹)を水に溶かした重曹水と反応すると思いますが試していないので確実ではありません。
いずれにしても試す場合は念の為、換気してください。
電極がきれいになったので電池を取り付けて動かして見ると...。
残念ながら上下方向のモーターがエラーを出してしまい、正常には動作しませんでした。
残念。
いろいろ調べて修理できないかもう少し挑戦するつもりです。