coya

すっかり育児ブログ
猫と犬もおるよ

明石公園

2008-06-14 15:22:36 | 昔話
高校の友達に王子という男がいる。

王子はその名の通り、王子様のようなキレイな顔立ち。

と、思ってるのは本人だけで、まぁ、痛々しい男。

以前、このブログにもでてきたが、ただのミーハー野郎。

そして、ナルシストだ。


ファッションもミーハーで、

モード系でかっこいい風にキメるときもあれば、

ダッフルコードなんか着ちゃってかわいい風な日もある。

ダル~く古着を着る日もあれば、

ワルっぽくパンクファッションの日もある。


当時、私も王子に負けず劣らずのナルっぷりで、とても気があった。

よく一緒に遊んだ。


高校2年、冬。

とある日曜──


王子と○っちぃと○田君と私の4人で公園で遊んでいた。

ナルシストはただ遊んだりしない。


写真を撮ろう!

ちょっとシリアスな感じにセピア写真撮ろう!


セピア色に撮れる使い捨てカメラを買った。


美しく遊ぶ姿を写真に残すため、ボートに乗った。

ナルシストだが、お金がない。


高い方の白鳥ボートには乗れず、

安い手漕ぎボートだ。


それでもキレイに漕いだ。

ムダな動きなく、美しく漕いだ。

もちろん、写真も撮りまくった。


ボート遊び終了。


さぁ!

次は何して遊ぼうか!


ルンルンと歩いていると、

1人、後ろを歩く男がいた。


王子だ。


様子がおかしい。

いつもなら先頭きってはしゃいでるあの男が、

しょんぼりついてくる。


王子が口を開いた。

「もう隠されへんからゆうわ」

どうした、王子。

美しいはずの顔が歪んでいる。


「ウンコ踏んでもた」




──あれから10年経とうとする今も、

その日の写真がたくさん残っている。


ウンコ王子はどの写真も美しく写っている。

ななめ下をむいたり、

ななめ上を向いたり、

自分が美しく見える角度を把握している。


でもその靴の裏にはウンコが付いている。


木の枝で一生懸命ウンコをとっている姿が脳裏をよぎる。

あの後ろ姿は忘れない。