あるところに、ミーという猫がいました。
ミーには家がありません。
いわゆる、野良猫です。
「あーぁ、そろそろ野良卒業しよっかなぁ…」
ミーはとてもお腹が空いていました。
お腹がすいてしょうがないのに、何を食べても下痢をしてしまいます。
「くそぅ、なんや最近お腹の調子悪いなぁ」
そんなある日、突然の大雨。
ミーは困り果ててしまいました。
「えらいこっちゃ!
お腹すいとんのに、こんな雨じゃ鳥もおらんわ。
ゴミの日もまだまだやしなぁ
よし、今日が野良の卒業記念日や。
誰か通らんかなぁ…」
そこに類稀なる美人双子(小学校低学年)がやってきました。
「チャーンス!子供発見!
こんなにかわいい子供に
『猫、飼いたい…』
って言われたら親も反対でけへんやろ
こいつらに決定や」
類稀なる美人双子はずぶ濡れのミーを見つけました。
双子①「猫や。拾って帰ろう」
双子②「あかん、うちにはニャーがおるやん」
双子①「こんな雨やし」
双子②「絶対『捨ててこい』言われるで」
双子①「そうかぁ…」
ミーはあきらめません。
歩き出した双子の後を追いかけます。
「なんやねん、あいつら。
かわいないわぁ…
お猫様やぞ。
絶対家つきとめたんねん。
ウンコしたんねん」
双子はミーがついてきていることに気付いていました。
でも家に入れるわけにはいきません。
双子①「ごめんなぁ、入れてあげられへんねん…」
双子②「やめとき、情がうつるで」
ミーは庭にまわりました。
すり硝子の向こうはリビング。
そこから双子とその母親の話声が聞こえます。
「しめしめ、悲壮感たっぷりに泣いたろ」
ミーはすり硝子に顔がくっつくくらい近づき、泣き続けました。
雨はどんどん激しくなってきました。
雷もなりだしました。
ミーは泣き続けます。
「ほら、早よ家入れんかい、グズグズすんなー」
双子①「入れたろうよ、すごい雨やで」
母親「あかん!」
双子①「今日だけでもさぁ」
母親「あかん!」
双子①「めっちゃ濡れとんねんで」
母親「どれどれ…いやん♪めっちゃかわいいやん♪」
双子②「え?」
母親「お風呂入れたらな!」
双子②「え?」
母親「寒かったなぁ、体キレイキレイしたるからなぁ♪」
双子②「え?」
こうしてミーは双子の母親に気に入られ、飼い猫になりました。
「こいつ、メロメロやないか。
ちょろいもんや。
かわいがったろ。
めっちゃゴロゴロゆうたろ」
翌日、病院に連れて行かれたミーの体から、
たくさんの寄生虫やらなんやらかんやらが発見されました。
「サナダムシか。
どうりで下痢なわけや」
ミーはその後、
鳥を捕まえては母親に見せ、怒られ、
コウモリを捕まえては母親に見せ、怒られ、
野良猫と目が合えば、ケンカをし、
道路で遊んでは、車に轢かれ、
ヒモで繋がれては、塀から落ち、首吊りになり、
ウンコをしようとすれば、脱腸し…
ミーはとてもお金のかかる猫でした。
数々の思い出を家族に残し、
数年前、星になりました。


ミーには家がありません。
いわゆる、野良猫です。
「あーぁ、そろそろ野良卒業しよっかなぁ…」
ミーはとてもお腹が空いていました。
お腹がすいてしょうがないのに、何を食べても下痢をしてしまいます。
「くそぅ、なんや最近お腹の調子悪いなぁ」
そんなある日、突然の大雨。
ミーは困り果ててしまいました。
「えらいこっちゃ!
お腹すいとんのに、こんな雨じゃ鳥もおらんわ。
ゴミの日もまだまだやしなぁ
よし、今日が野良の卒業記念日や。
誰か通らんかなぁ…」
そこに類稀なる美人双子(小学校低学年)がやってきました。
「チャーンス!子供発見!
こんなにかわいい子供に
『猫、飼いたい…』
って言われたら親も反対でけへんやろ
こいつらに決定や」
類稀なる美人双子はずぶ濡れのミーを見つけました。
双子①「猫や。拾って帰ろう」
双子②「あかん、うちにはニャーがおるやん」
双子①「こんな雨やし」
双子②「絶対『捨ててこい』言われるで」
双子①「そうかぁ…」
ミーはあきらめません。
歩き出した双子の後を追いかけます。
「なんやねん、あいつら。
かわいないわぁ…
お猫様やぞ。
絶対家つきとめたんねん。
ウンコしたんねん」
双子はミーがついてきていることに気付いていました。
でも家に入れるわけにはいきません。
双子①「ごめんなぁ、入れてあげられへんねん…」
双子②「やめとき、情がうつるで」
ミーは庭にまわりました。
すり硝子の向こうはリビング。
そこから双子とその母親の話声が聞こえます。
「しめしめ、悲壮感たっぷりに泣いたろ」
ミーはすり硝子に顔がくっつくくらい近づき、泣き続けました。
雨はどんどん激しくなってきました。
雷もなりだしました。
ミーは泣き続けます。
「ほら、早よ家入れんかい、グズグズすんなー」
双子①「入れたろうよ、すごい雨やで」
母親「あかん!」
双子①「今日だけでもさぁ」
母親「あかん!」
双子①「めっちゃ濡れとんねんで」
母親「どれどれ…いやん♪めっちゃかわいいやん♪」
双子②「え?」
母親「お風呂入れたらな!」
双子②「え?」
母親「寒かったなぁ、体キレイキレイしたるからなぁ♪」
双子②「え?」
こうしてミーは双子の母親に気に入られ、飼い猫になりました。
「こいつ、メロメロやないか。
ちょろいもんや。
かわいがったろ。
めっちゃゴロゴロゆうたろ」
翌日、病院に連れて行かれたミーの体から、
たくさんの寄生虫やらなんやらかんやらが発見されました。
「サナダムシか。
どうりで下痢なわけや」
ミーはその後、
鳥を捕まえては母親に見せ、怒られ、
コウモリを捕まえては母親に見せ、怒られ、
野良猫と目が合えば、ケンカをし、
道路で遊んでは、車に轢かれ、
ヒモで繋がれては、塀から落ち、首吊りになり、
ウンコをしようとすれば、脱腸し…
ミーはとてもお金のかかる猫でした。
数々の思い出を家族に残し、
数年前、星になりました。

