鍾乳洞。
これはほんま、自然が作り出す、
芸術やと思うねん。
神秘的で、壮大。
理屈で納得するようなもんじゃないねん。
が。
このたび、残念な思いをしたわ。
遺憾でならん。
某鍾乳洞の話な。
まず入り口におじさんが立ってるの。
鍾乳洞ってのは夏でもひんやり涼しくて、
そこでまず「これが鍾乳洞の涼なのだなぁ」
って思うとこやのに、
おじさんったら、
「ここは涼しいですが、ここが一番涼しい場所です
ここから先、どんどん暑くなります」
ですってよ。
そんなこた説明されんでも体で感じらぁ!
洞窟に入ってからも、
自然が作った形を何かに見立て替えて、
「クラゲ岩」
「七福神」
「竜の口」
「キリストを抱きかかえるマリア」
と、いちいち名前を付けてんの。
しかもプレートを貼るだけやなくて、
電光の看板。
萎える萎える…
途中、またおばさんが立ってて、
この洞窟で一番大きい「見立て替え」の説明。
「これがカーテンで、こっちは少し絞ったようになってるカーテン。
この洞窟での見どころはここくらいです」
ですってよ。
そんなこたこっちが決めらぁ!
1歩進むごとに電光看板が目ざわりでさ。
おじさん・おばさんの話も余計でさ。
さらに、複雑な形の所には、
赤・緑・黄色の照明を当てて、
色鮮やかな演出。
写真撮ってほしいスポットにはパイプ椅子。
少し空間があるところにはベンチと扇風機。
必要ないやろ。
この鍾乳洞は何を見せたいのかがわからん。
「どう?うまいこと見立て替えてるでしょう?」
って言いたいの?
それならNOや。
私たち、観光客はさ、
自然が作った鍾乳洞を見たいの。
足場を作って歩きやすくしたり、
少し明るくするために照明をつけるのは、
観光地として大事なことやけど、
それ以上はあんまり手を加える必要はないの。
せっかくの鍾乳洞が台無し。
もったいないなぁ…