人は各々『コンプレックス』という精神的な炎症を隠し持っている。
顔のパーツであったり体型であったり、ニオイであったり。
なかなか声に出しにくいことであり、できれば誰にも気付かれず過ごしたい。
が、しかしだ。
私の周りの人間は容赦なく私にナイフを振りかざす。
私は人よりたくさん、顔に大きなホクロがある。
たくさんの大きなホクロの三重苦。
幼少の頃はマイナスをプラスに変えようと思ったのか、
「チャームポイントはこのホクロです」
なんて言ったこともあるが、嘘だ。
チャーミーだなんて思ったことがない。
双子の見分けに使われる、ただの黒い点。
剃り落とそうとしたこともあるこのホクロを、
私の友人○ヵは幾度となくネタにしてきた。
ホクロを星座に見立てたり
トッポや油絵の具に見立てたり...
ほかにも、私の顔の中心には、しょうもない鼻がついているのだが、
そのしょうもない鼻の形を友人西ゴ○はいじる。
「メメはぁ、鼻が変~」
人より少し、筋が通ってないだけの鼻。
嗅覚はかなり優れているのに、ペチャンコなだけでネタにされる。
それと、体型。
私は自分でもおチビさんだとは思う。
でも、ただのおチビさんではない。
下半身デブなのだ。
普段は一生懸命バレないように体型を隠している。
私はルーズな服が好きなのー
え?スキニー?パッチ穿いてるからダメダメー
これも嘘だ。
ラインをぼやかしたいだけなのだ。
そうやって欺いてきたのにも関わらず、去年某日。
私は友人20人とその他大勢の人の前で全身タイツを着ないといけない事態に陥った。
避けては通れない状況だった。
下半身露出....
なんて猥褻な行為だろう。
ここまで書いてゆうのもアレだが、
こんな友人たちのおかげで、
ホクロや鼻や体型はもうコンプレックスを克服し、
今ではいいネタになっている。
そもそも、昔から一番気にしているパーツはそこではない。
何を隠そう、
唇だ。
私が気を許す友人に、
「メメは整形するとしたらどこするー?」
と聞かれ、無難に「ホクロ」と言いたかったが、ココは素直に、
「く...く...唇」
と答えた。
するとその友人は、
「そうやろうなぁ」
と。
一番酷ですわ。
その友人は私のことを唇オバケと称すことがある。
否定することもできず、受け入れている。
顔の中で一番エロスを演出するはずの唇。
私のエロスはオバケなのだ。