クレモナ カルテット

6週間経って北イタリアのリアル

沢山の方からご心配のメールやお電話を頂き感激です、ありがとうございます!!なんとか無事です。

自宅待機あと2週間延長が決まりました。

イタリアの現状を皆さんもニュースでご存じと思いますが、

私が実際に知っている方々に起こった事をお伝えしたいと思います。

               

家から出れないので暇つぶしにあちこちから電話があり、生存確認と情報交換です。

友人は親戚(70代男性)が亡くなり、お葬式が禁止されてお別れも出来ないので信じ難い。と嘆いていました。

これは本当にお気の毒です。カトリック教徒は土葬ですが、この場合火葬になり、200km離れた町まで軍用車で運ばれます。

また一人が感染すると同居の家族が芋づる式に感染しています。

例えば、親戚のおじさん(70代)が検査入院中に恐らく院内感染。

帰宅後おばさん(70代)が発熱1週間その後回復、娘さん(40代)は一日倦怠感、お孫ちゃん(10代)は一日発熱、三日後また発熱したが回復、息子さん(30代)は無症状という

まさに見本パターンです。

こちらは家庭医制度があり、ドクターに電話したところ「今病院には行ってはいけない、自宅で療養して毎日連絡してください」と言われたので検査はしていません。(現在、検査は病院に運ばれる重症患者のみに行われます)

なので公式発表されている患者数には入っていませんが恐らくそうでしょう。家庭医によると同じような患者さんが40人いると言ってました。

丸ごと一家感染はよく聞きます。お隣さんも、おむかいさんも、裏も皆さん自宅で療養組だったそうです(よって検査はしていません)

家庭内の感染を防ぐのは洗面所や床を毎日掃除するとある程度防げるそうですが

潜伏期間が長いので時すでに遅しが多いです。

そして陽性ではないので家族の誰かが買物に行きます。。なるべく行かないように二週間に一度の外出、買物はまさに戦々恐々です。

死に到らないまでも重症化する10代20代も数人聞きました。

先々週に入院したchiちゃんの実家お隣さんの奥さんもまだ入院中との事、重症患者の方は約1か月入院されています。

私の主治医(40代)も病院で感染され自宅待機していて(感染は手術をした患者さんが陽性だったことから発覚)

本人は無症状、あえて言うなら仕事をした後の「おつかれさま」という感覚ぐらいしかないそうです、そして3週間経ってもまだ陽性反応だそうです。

               

このウィルスの一番厄介な問題は無症状の感染者がいるという事です。

2月22日にレッドゾーンに指定されたベネト州ヴォ市が市民約3000人全員に検査を行ったところ

「感染した人の50%~75%は、完全に無症性であり、感染の恐るべき源である。」

フィレンツェ大学の臨床免疫学セルジオ・ロマニャーニ教授による記事がラ・レプッブリカ紙に掲載されていました。

      

感染拡大の原因は様々な要因が言われていますが、解明されるのはまだまだ先

イタリアで起こっている事と周りのリアルな現状を踏まえ私が思ったのは

何よりもこのウィルスを甘く見ていたという事と

このように無症状が多いという結果を踏まえて

感染していると仮定して行動する意識変革が出来なかった。という点にあるのではないかと思います。

             

自宅待機当初はバルコニーでフラッシュモブや拍手が行われていましたが、

ローマ法王が無人のサンピエトロ広場で祈りを捧げたことに始まり

今イタリア全土が終息を願い祈っています。もう祈るしかありません。

 

誰もいないクレモナ、大聖堂の塔の上からヴァイオリンの祈りが響き渡りました。

どうか皆様もヴァイオリンと共に祈りを捧げて下さい。

  クレモナ在住ヴァイオリニスト横山令奈さん全身全霊を懸けた演奏です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ヴァイオリン」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事