自分の作品のメンテナンスをしていて、本当によかったなぁ。と思う時はそれぞれの楽器のオリジナルニスを保存してあることです。ニスの修理は何が一番難しいかというと、同じ色を再現するということがとても難しい作業です。印象派の画家のように太陽光の元あらゆる角度から作品を見ます。クレモナの楽器は特にその色彩の変化が特徴になるので、ますますニスの色合わせは困難なものになります。
でもオリジナルニスがあるとこの作業はいたって簡単になります。
たとえばネックのむかって右下と左上にあるこの傷は
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/b4/eff87db889425bcf1da3448c701a48cc.jpg)
ニスを少しずつ塗り重ねて乾かし、ペーパーをかけて仕上げてみると、こうなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/02/d4f90957e7ad9975c27db3d29f20393b.jpg)
ほとんど分からなくなります。大切に扱っていても楽器なのでどうしても傷がついてしまいますが、これなら安心ですね。