霜のいと白きなクレモナです。
今製作中のヴィオラはアンドレア・ガルネリの1690年モデルです。
裏板一枚板の美しさもさることながらどんな音が出るのか
f字孔はアマティー風にしようかなぁ、とか製作していてとっても楽しいです。
なぜアマティー風なのか?と申しますとこのお方は
ガルネリ一族の祖でニコラ・アマティーの直弟子、ストラディバリウスの兄弟子にあたります。
ここでガルネリ家の説明を少ししたいと思います。
アンドレア(Andrea:1623-1698)には7人の子供がおりそのうちの2人が製作者になりました。
息子のピエトロ・ジョヴァンニ(Pietro Giovanni:1655-1720)とジュゼッペ(Giuseppe Giovanni Battista:1666-1739)です。
ピエトロはしばし父と意見が合わなかったのか独立心旺盛だったのかマントバで独立します。
一方ジョゼッペは父の元で働き一般にアンドレアの子[Giuseppe “figlio di Andrea”]ジョゼッぺと呼ばれその後、工房を継ぎます。
彼には6人の子がおりそのうちの2人が製作者になりました。
兄ピエトロ(Pietro:1695-1762) は伯父のようにヴェネチアで独立しました。
工房は弟バルトロメーオ・ジョゼッぺ(Bartolomeo Giuseppe:1698-1744)が継ぎました。
ガルネリ家で一番有名なジュゼッペ・ガルネリ "デル・ジェズ"です。
彼のバイオリンはストラディバリと並び賞されています。アンドレアからは孫にあたります。
ちなみに"デル・ジェズ" という愛称は、彼の楽器にしばしば刻まれた「I.H.S」(Iesus Hominum Salvator - 人類の救世主)
というラベルに由来しています。
寒さも今月末に向けて厳しくなります、皆さまお元気でお過ごしください。
そういえば、以前こんなびっくりな話もありました→→ ガルネリさんがやって来た