櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

身体、空間、場、、、

2016-03-28 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
来るソロ公演の場「plan-B」。
東京中野のこの空間で独舞を開催させていただくのも15年目になる。
大きな場や外国でのものも全てここでの踊りが基。
それ以上に、ここで接することができた踊りの、音楽の、人の、全てが僕にとっては本当に特別なものだった。
まさに「呼吸しつづける場所」である。



舞台は能舞台にも似た寸法だが、むきだしのコンクリートに囲まれた地下空間だから、まったく雰囲気は違う。
舞台ギリギリの客席ではダンサーの髪一本の揺らぎから汗一雫までハッキリと見えて息音も克明に聴こえる。
闇のシーンでさえ隠すものは何もなくなる。
それは舞台からも同じ。客席の息まで肌に受けて踊る。対個人という肌触りで踊る。
そして、そのような接近や交感が脈々と継続されて来た証しというべき痕跡が、階段からドアから舞台の床から、無数に発見される。

「いま、ここ」だけでなく、過去も未来も飲み込んで何かを感じたり思ったりできる、都内では稀有な踊り場である。

踊りは人と人の関わり感や気配の交流が醍醐味だ。
生身の人間に生身の人間が向き合うことから生まれる何かに踊りは降りるのではないかと思う。

この場所に魅せられ続けている。
そこに漲る場所の感情というものがあるように感じている。
それが肉体に覚悟を迫ってくる。
地霊というか、ある種の霊魂のようなものが、朝一番で入った途端から、からだ全体をじっと見つめているように感じる。
余計なものが全部暴かれて開演前には丸裸の状態になってゆく。
慣れも経験も許さないこの場所での本番は怖いが、やはり踊るならここで、と思えてならない。

いよいよ踊る日が近い。
この場所に恵まれながら、いかなる逢瀬を出会うことができるか。
その思いは、そこに立つ立ち方のなかでしか表し得ないものかもしれない。

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【これからの公演】
Next Performance

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