スクリーンで見逃し、長くそのままになっていたカズオ・イシグロ脚本の『生きる LIVING』を観た。
デリカシーと優しさが随所に感じられ、ひとつ一つのカットに見入った。
人の感情の実に細やかな絡まりが本当に素晴らしく、示唆に満ちた素晴らしい映画だった。
黒澤明監督のオリジナルに対する敬意も深く反映されているように感じ、そこにもまた感銘を受けた。創作はリスペクトにとても深く関わっていることを、また、つくる、という作業そのものについても、やはり考えさせられた。
僕には、踊りでも映画でも何かを観ることは深呼吸みたいなもので、やはり体に合う合わないは大きく、合う人や合う作品との出会いはとても大切だ。そして、それは表面上は関係なくても、心の動きそのものを温めてくれるから、練習や作品づくりにも暮らしにも果ては人とのお付き合いにさえ、どこか関わる気がしてならない。
繰り返し鑑賞したいと思える作品に久々に出会ったのは幸運だった。
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