櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

3/4 レッスン報告:オイリュトミー

2015-03-04 | レッスン・WSノート
3月初回のオイリュトミーレッスン。
シュタイナーの魂の暦は四季のイマジネーションと人間一人一人の一年48週間の内面変化を毎週一題の詩を謳いながら照らし合わせようという野心的な詩集だが、これの丁度今週にあたるページを踊った。

忙中を一日でも休みにして森にでも海辺にでも身を運ぶと、一年間の疲れを癒してくれる風景に出会うことがある。
風や雨や光や影や空や土、、、。
力を抜いて、それら自然や宇宙の声に耳を傾けると、自分自身に対する気持ちも少し広がって、日常にもまた色彩が蘇ってゆく。
そんな情景をシュタイナーはこの早春に謳う。
それをレッスン前半の時間に踊った。

後半。
今シーズンの主作品を進めるつもりが、たまたま振付帳を忘れた。
むやみに進めたくないから次回にまわして、別の稽古にした。
以前作品にしようとして出来ず仕舞いになっていた詩を読み直していてスケッチしていた、この機会にそれを提示してみた。
ら、、、メンバーの動きがなぜか面白い。やってみたいと思いながらくすぶっていた何かが伝わったのかしら。
感想をきいたら、コトバが雨のように降ってくる、という、ある人のことば、おおお、と思った。
さらに、ひとりひとり、みな違う個性的な感想が出る。コトバが喚起するイメージの多様さ。踊りになりそうな気配。
大正時代の詩人、高橋新吉の詩だ。
激しいリズム、音響感、矛盾や葛藤をたたえた狂おしい内容。ダダイズムの詩とも評される。
オイリュトミーでは、音楽を踊るように、言葉も踊る。
音の響きや勢いや呼吸の躍動として言葉を身にうけ、言葉を、語ることを、あらためて味わい楽しむ。そんな側面がオイリュトミーにはある。
その姿勢に、ダダイストたちの遊び心ゆたかな詩は、けっこう相性が良さげ。
レッスンのプログラムに入れようかと思った。

ps:トリスタン・ツァラ、フーゴ・バル、などなど、1900年代初頭ヨーロッパに乱れ咲いたダダイズムはやがて暗雲訪れるなか深層心理の方角に散り溶けてシュールレアリズムや抽象への道を開く。神を断とうとした世界が存在の迷宮と戦争の野蛮に直面するそのキワの気分に、日本も洗礼を浴びるように晒されていたのか、大正の光と影が、危うく怪しく詩人の言葉に揺れるのを高橋新吉の詩に感じる。シュタイナーもこの頃の人。オイリュトミーが生まれたのもこの頃。マリ・ヴィッグマン、ダンカン、ニジンスキー、アルトー。さまざまな天才が現れては踊り演じ人の存在を問うたその時、私たちの現在が幕を開けたのだという人は多い。二転三転、されど私たちはマダ迷宮のなかにいる感がある。まだまだ始まりの途中に、私たちは生きている気がする。

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いづれも5名〜10名。参加者ひとりひとりに対して指導を行ないつつ進めますので、経験や年齢を問いません。どうぞ、お気軽にご参加ください!!
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