言葉からひろがってくる動き、いっしょに動くときの動き、そして音楽でかかわってゆくときの動き、、、。ダンスにはさまざまな動きのあらわれがあり、それぞれに良さがある。
7/17金曜日のメインクラスは、ピアノを演奏しながら指導をおこなう日だった。ひとりひとり、その人のテンポで、その人の身体をほぐし、音と関係を始めてゆく。次第に、場も変化してゆく。
コロナ禍のせいで日常生活のなかで気を使うことが増えて久しい。ただでさえ色んな規則をつくってしまう。しかし、それと同時に、規則から自由になろうとする原初的な力が、僕ら人間にはある。そんな力が踊りのなかでふと垣間見えるとき、その人の存在感がパッと明るくなったように感じられる。それは、緊張から解き放たれた瞬間の姿でもある。
やっぱり、気持ちの面でも身体的な面でも、ダンスの稽古は僕らを縛っている何かから少しずつ解き放ってくれる。こわばっているものを、少しずつ解きほぐしてくれる。そのことを、クラスを再開してから、とてもよく思う。
いまは舞台を味わうことも容易くはないし、大勢で盛り上がれるような場もないが、ほんの少しの人とともに静かにゆっくりと身体に向き合ってゆくことならできる。日常にはない空間や音のなかで、丁寧に身体を動かしていると、静かな時間が生まれて、少し心が落ち着いてくる。ダンスを繰り返し稽古していると、不安やあせり、といったものを取り除く働きもあるのがわかってくる。
ダンスは生活に必要なバランスをくれるものなのではないか、とか、ダンスは本来はとてもプライベートでデリケートなものなのではないか、というような事も、ときに思う。
身体がしなやかに動き出す時は、無理な頑張りや欲がとれて、その人の心の魅力が身体に溶け出して自然な状態に戻ってゆく時だと思う。一人一人の人の素敵な所を見つけて魅力を引き出してゆく、というレッスンに、もっともっと近づけていきたい。
コロナ禍のなかで僕のダンス活動はかなり大変になってしまったが、いまは僕自身の原点を見つめ直すときとも考えている。いま、この状況のもと、ダンスのことはもちろん、さまざまな物事の本来の姿を考えずにはいられない。
このウイルスが大人しくなってくれる頃には、僕ら人間も一皮むけているかもしれないな、とか思ったりもする。
苦境は何かのエネルギーに変わるはずだ。
時間はかかるかもしれないけれど、さまざまなものごとの再構築が始まってゆくのかもしれないと思う。
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