「そして、燃やして灰となったものに、あらたなヒを傍らに近づけるように 」
という、この言葉をめぐるあれこれを、以前にもたしか書いたと思うのだけれど、なぜか、なにがそうさせるのか、この言葉がやっぱり脳裏をかすめて仕方がない。
吉増剛造さんが3.11震災を経て書かれた詩『怪物君、詩乃傍(côtés)で』のなかの言葉。
僕にとっては驚愕そのものだったこの長大な詩の、なぜだろう、まずこの言葉がこの文字の列が、ときどきアタマの空白をブアッと埋める。
これを書き写した手帳には、根の揺さぶり、と、その脇に書き添えてあって、初めて眼にしたときの感情なのだと思うが、「ヒ」の一文字にアカ丸が強い筆圧で、ある。
たとえば、火、たとえば、陽、たとえば、日、であり、たとえば、非、緋、秘、霊、悲、否、たとえば、たとえば、という、「ヒ」の連なり。なにか、ヒというものが根の根に根をはってゆく。ヒ、とは。
根の揺さぶり、それはたしかにこの詩の言葉についての言葉でもあるが、 同時にそれは、この言葉によって目覚めさせられたもの、についての言葉だったかもしれない。
何か自分のないぶの、痛みと怒気と怯えとが混在するような、何に対してなのか、もうわからなくなってしまったような感情に、あるいは、それは踊るということによってしか発話できない感情にも近い、抽象的で原始的な根深い感情に、この言葉は、それこそ「ヒ」をつけようとするようでもある。
この言葉によって目覚めさせられたもの、があるとするなら、
それは、、、と、気になる。気になりつづけている。
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という、この言葉をめぐるあれこれを、以前にもたしか書いたと思うのだけれど、なぜか、なにがそうさせるのか、この言葉がやっぱり脳裏をかすめて仕方がない。
吉増剛造さんが3.11震災を経て書かれた詩『怪物君、詩乃傍(côtés)で』のなかの言葉。
僕にとっては驚愕そのものだったこの長大な詩の、なぜだろう、まずこの言葉がこの文字の列が、ときどきアタマの空白をブアッと埋める。
これを書き写した手帳には、根の揺さぶり、と、その脇に書き添えてあって、初めて眼にしたときの感情なのだと思うが、「ヒ」の一文字にアカ丸が強い筆圧で、ある。
たとえば、火、たとえば、陽、たとえば、日、であり、たとえば、非、緋、秘、霊、悲、否、たとえば、たとえば、という、「ヒ」の連なり。なにか、ヒというものが根の根に根をはってゆく。ヒ、とは。
根の揺さぶり、それはたしかにこの詩の言葉についての言葉でもあるが、 同時にそれは、この言葉によって目覚めさせられたもの、についての言葉だったかもしれない。
何か自分のないぶの、痛みと怒気と怯えとが混在するような、何に対してなのか、もうわからなくなってしまったような感情に、あるいは、それは踊るということによってしか発話できない感情にも近い、抽象的で原始的な根深い感情に、この言葉は、それこそ「ヒ」をつけようとするようでもある。
この言葉によって目覚めさせられたもの、があるとするなら、
それは、、、と、気になる。気になりつづけている。
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