櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

問う身体

2015-02-28 | ダンスノート(からだ、くらし)
問うこと。
稽古にも、作品にも、問う楽しみが尽きない。

クラスに出ると少しの時間ウォームアップしながら、お喋りする。
だれかしら何かしら問を下さって、そこから話題が広がり想像力が働き、いつしか踊りの衝動に結びついてゆく、そんな時間が楽しい。

人と人。些細なことでも質問されると何かしら心の引き出しが開く。問いは呼びかけでもあるから。

体の運動ばかりでなく、話したり相談したり考えたり感応したり、それら一喜一憂のデリケートな堆積からダンスの身体ができてゆくのを感じる。

心うごくから体もうごく。日常すべてに心の綾はあって身体に抱きとめられている。

問といえば、、、。
オイリュトミーに「iao」というシンプルな練習があって、初めて教わってから気付けば30年以上も経つが、まるで歯磨きのように繰り返している。

「イ」音を瞑想しながら直立し、「ア」音瞑想で天を煽り、「オ」音にコダマするごとく地に姿勢を傾ける。
いのちのイであり、祈りのイである。あかるみのアであり、会い愛し合いのアであろうか。そしてオの音に何をきくか、重みあり思いあり恩もあり、、、。

気持ちを静かに深呼吸して、わが身に地軸を移してゆく。ひとつのからだは、天地を結んでひとつの柱になり得るのだろうか。

理屈はさて置き、動きとしては単純な重心移動であるけれど、しばらくの時間繰り返しやっているとなかなか気持ち良く、飽きない。
これを練習していると、天に地に、そしてこの身そのものに、何か問いかけているような気がするのである。長く生きれば100年、つまり一世紀に及んで私たちは天地と肉体に連れ添う。
天に問う、地に問う、自らに問う、今日は何を、、、。

問う人になる。
ひとつ、またひとつ、知らないことを見つけてみる。
空白、しじま。
未知があることの広さ。
その感触の沸くことが、なんだか軽くなるようで好きだ。
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