櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

ジョーン・ジョナス(Joan Jonas)さんの

2018-12-30 | アート・音楽・その他



ジョーン・ジョナス(Joan Jonas)さんの作品に触れることができたのは、ことしのなかでも特別うれしいことだった。自ら関わったもの以外では、一年でもっとも観る喜びを感じたのが彼女の個展『Simple Things』だった。観に行ったのは11月27日だった。3つの作品が展示されていた。旅の、犬の、そしてライブパフォーマンスの記録。そこには、いくえにも時間が重なっているようだった。彼女は途切れた時間を結びつけ直したり時間のなかを行き来するようだと思った。彼女の作品は、行為と映像と言葉によるものと言っても良いかもしれない。たとえば映された像にジョナスは線をかき入れる。映像のカットは切り替わり別のものが映るが、ジョナスは線をかきつづけている。描かれる線のなかで、別のなにかが生き始めてるのを、僕は感じる。あるいは、スクリーンの中で、何層にも映像は重なってゆくこともある。それはイメージの重なりであるけれども、時間が堆積してゆくようにも思えてくる。像とは切り取られた時間とも言える。像とは歴史とも言えるし、像とは死とも言えるかもしれない。犬をモチーフにした作品では非常に強く、遠い世界を感じた。ただただ犬が歩いているのだけれど、その足がどこに向かってゆくのかが、わからなくなってゆくのだった。犬の、あの独特の細かいステップのリズムとともに、僕はまだ知らない世界に、連れてゆかれるように感じ始めていた。ライブパフォーマンスの記録はとても興味深く楽しく観ることができた。実体と映像が重なり絡み合いながら、僕らの棲む場所に僕らが知らない別な世界を招きいれようとしているみたいだった。彼女の一瞬一瞬の行いがとてもデリケートで思索と直観に満ちているように感じた。(写真はギャラリー発行のカタログ)



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【活動】
performance ダンス公演

lesson 教室



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