名古屋公演「CROSS CORNEA」(4/11)が無事終了して1週間。
やっと体調や神経が復活。
ご来場いただいた方々、関わっていただいた方々、
遅ればせながら、本当にありがとうございました。
KDハポンという会場は、アンティックな住居の佇まいも感じさせつつ実に天井が高い。独特の雰囲気。しっとりと空気が落ち着いていて、アイデンティティーがあるのを感じさせる場所だ。ああ、ここで良かった!
今回ダブル公演ということでご一緒したユニット”holon"の森田さんご兄弟、すこぶる感じがよく、一貫してスタイルを貫いていられるその現場感覚にはピンと来るものあり。音を担当された福島さんもしかり。浮ついたところがない。ひとつの事を続けている人たち、本物の匂いがする。現場が気持ち良い。このチームと一晩を構成するのかと思うと、おのずとモチベーションが上がった。
さて、僕のパフォーマンス。音楽はこれが通算4回目の共同作業となる鈴木悦久さん。今回は「dance phase」というタイトルのもと、約60分にわたる完全即興のダンス、身体の起こす振動波と相互干渉しながら予測不可能な変化を引き起こすサウンドシステム、パーカッション演奏。
初めての土地で、自分をとことん追い込んで勝負したかった。
開演1時間ほど前に会場の外に出て、付近の市街で動き始めた。ウォームアップとも踊りとも散歩とも区別のつかない動きを繰り返しながら、この街の空気を吸い込む。しばし、人の輪に囲まれる。そっと別れる。闇を歩く。アシスタントと待ち合わせ、衣装を身に着ける。降り始めた雨をあびる。客席にはいる。街の余韻を少し踊る。音が響く。想念を捨てる。音を浴びる。さらに捨てる。現れる身振りを、次々に捨てる。ステージの進行とともに客席から熱気というか集中力が高まってゆく。
踊りの居方・委ね方のシフトに対する客席の対話感が、すごい。骨まで見尽くそうという人、あえて距離を生み出そうとする人、息を呑む人、泣いている人。瞬間瞬間に対する賛否両論が、ダイレクトに踊り手に来る。渦のように、沈黙がある。観る、という行為が実に大切にされている。その空気を受けて、剥き出しの人間として立ちたい、と思った。初めて訪れた名古屋で、素晴らしい観客に出会えた。人を感じた。関係が生まれるのを感じた。力を出し切ったと思うが、心に残る踊りが提供できたかしら。
帰りに声をかけてくださった方が多かった。手を握ってくれた人、次はいつ来るのと肩を抱いてくれた人も。人情に背を押された。あたらしい挑戦に向き合ってゆけそうだ。
さっそく次の作品をつくり始めようと思う。
さて、クラス活動やセルフトレーニングの日々に還ってきた。稽古場に集まるメンバーが、すこぶるいとおしい。ひとりひとりが人生を乗せて身を踊らせる。その空気が清い。
やっと体調や神経が復活。
ご来場いただいた方々、関わっていただいた方々、
遅ればせながら、本当にありがとうございました。
KDハポンという会場は、アンティックな住居の佇まいも感じさせつつ実に天井が高い。独特の雰囲気。しっとりと空気が落ち着いていて、アイデンティティーがあるのを感じさせる場所だ。ああ、ここで良かった!
今回ダブル公演ということでご一緒したユニット”holon"の森田さんご兄弟、すこぶる感じがよく、一貫してスタイルを貫いていられるその現場感覚にはピンと来るものあり。音を担当された福島さんもしかり。浮ついたところがない。ひとつの事を続けている人たち、本物の匂いがする。現場が気持ち良い。このチームと一晩を構成するのかと思うと、おのずとモチベーションが上がった。
さて、僕のパフォーマンス。音楽はこれが通算4回目の共同作業となる鈴木悦久さん。今回は「dance phase」というタイトルのもと、約60分にわたる完全即興のダンス、身体の起こす振動波と相互干渉しながら予測不可能な変化を引き起こすサウンドシステム、パーカッション演奏。
初めての土地で、自分をとことん追い込んで勝負したかった。
開演1時間ほど前に会場の外に出て、付近の市街で動き始めた。ウォームアップとも踊りとも散歩とも区別のつかない動きを繰り返しながら、この街の空気を吸い込む。しばし、人の輪に囲まれる。そっと別れる。闇を歩く。アシスタントと待ち合わせ、衣装を身に着ける。降り始めた雨をあびる。客席にはいる。街の余韻を少し踊る。音が響く。想念を捨てる。音を浴びる。さらに捨てる。現れる身振りを、次々に捨てる。ステージの進行とともに客席から熱気というか集中力が高まってゆく。
踊りの居方・委ね方のシフトに対する客席の対話感が、すごい。骨まで見尽くそうという人、あえて距離を生み出そうとする人、息を呑む人、泣いている人。瞬間瞬間に対する賛否両論が、ダイレクトに踊り手に来る。渦のように、沈黙がある。観る、という行為が実に大切にされている。その空気を受けて、剥き出しの人間として立ちたい、と思った。初めて訪れた名古屋で、素晴らしい観客に出会えた。人を感じた。関係が生まれるのを感じた。力を出し切ったと思うが、心に残る踊りが提供できたかしら。
帰りに声をかけてくださった方が多かった。手を握ってくれた人、次はいつ来るのと肩を抱いてくれた人も。人情に背を押された。あたらしい挑戦に向き合ってゆけそうだ。
さっそく次の作品をつくり始めようと思う。
さて、クラス活動やセルフトレーニングの日々に還ってきた。稽古場に集まるメンバーが、すこぶるいとおしい。ひとりひとりが人生を乗せて身を踊らせる。その空気が清い。