久々に連絡をとった方が公演の感想文だよと送ってくださった手紙を拝読。この夏に上演した新作とコロナ前の2019年に上演したもの二作についてくわしく書かれていてこんなことは初めて。強く参考になった。
季節が変わり、やっと7月公演の反芻作業も渦中に入ったところ。そこに、ゆっくり選ばれた言葉を投げていただけたこと、これは上演時の舞台と客席の間の無言の対話が継続しているようで、背を正す思い。僕自身も舞台を観た感想というのは時に何年も残り、発展してゆく。ダンスは一回性が強いと言っても、その残照残響がどこまで続くかは、ものによって、はなはだ未知なのかもしれない。そう考えると、創作も稽古もまた面白い。
過去にも感じたことがあるが、ソロ公演からしばらく経つと、自分の内部が変わっているように思えてくることがあって、それは次作構想ともやはり絡む。
作品というのは作るだけでなく、作る代わりに壊れるものも、ある。そして、上演という行為によって揺すり揺すられる。上演初日の最初の瞬間から終演日の踊り切リの瞬間までのどこかで、踊りと注視とがあいはたらきあってピッと張り詰めた水晶のような時空が生じることが、稀にある。日常にはなかなか生じない空間は忘れがたい。独舞と言っても一人から何かが生まれるわけではない、踊る肉体とそれが関わる魂すべてが働き合って何かが生まれるのだと思う。舞台では自分のイメジネーションのみならず観客の想像力とも踊ることに成るから、予想外の新たな火種も生まれる。今年の新作『やがて、、、(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』では、それが強くあった気がしてならない。
反芻を進めつつ、次作に向けて確かな作業を進めていきたい。
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